体のサイズによってコックピットの大きさは重要です。なぜなら、入れなくては操船できないし、きつければ、もしもの時に危険を伴ってしまいます。
ボートの幅のサイズなどの規格もあるので、どうやったら、うまいこと使いやすいコックピットサイズにできるのかを、人体工学というとかっこよさげですが、体のサイズを計って考えてみようと思ったのです。
車など一昔前は、サイズをきめるのに、平均的なサイズをもとにして作っていたおかげで、平均より大きい人たちは、とてもじゃないが快適なドライブができないサイズで作られていました。これを理由にサイズを下げれば製造コストの軽減にもつながったからで、窮屈でもドライバー側が文句を言える時代ではありませんでした。しかし、これは、自作のカヤック。車の製造都合で押し売りするような物とは関係がありません。
だから、カヤックビルダーはオーダーメイドの自分の理想に近づく舟を求めることができるアドバンテージがあるのです。
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考えてみた
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シーカヤックとリバーカヤックの違いに、上体の自由度を確保する必要があります。
ぼくは昔乗っていた時は、何も気にすることなく艇に乗り込んでいましたが、自作するとなると、この辺も重要なファクターであることに気が付きました。
これの大きさ+シートの高さは、操作性を大きく左右するということです。
上体がボートより出ていればそれだけ、操作性が高まりますが、逆T字型になるボートと人間の位置関係(のこの物理的問題)は自己のバランスのセンスを問われる度合いが高くなってきます。
船体を薄くすれば軽量化にもつながりますが、ボートへの左右のストリーム(流れ)の影響も大きくなります。重ければ直進性への安定感はでますが、反面ターンの軽快さに問題が出てきます。
このバランスも求められてくるわけであるので、操作性を高めるためにこのコーミングとコックピットは重要な要素となってきます。
製造カヤック第1号は、この辺が気に入りませんでした。
これを今後に生かすために研究。
リバー競技艇を合板で造る構想はつづくのです。
この図を描いてみました。
これは自分に近いサイズから、スプレースカートの対応を合わせた最低必要サイズのコーミングサイズを出して見たものです。
コーミングの形は5角形風卵型から、オーソドックスな卵型まで色々ですが、5角形風はやせ形の人向けだろうと感じます。
ひざのあたり位置も、コーミング内側のつかず離れずのポイントが理想。
現在はFRPかカーボンをコーミングからあてて壁を作っているモデルが多い。
緊急脱出の意味からも、硬発泡スチロールタイプは、はまりこんだときに余裕がない。 しかし、ポスチャーは下半身のひざまでは一体と考えるべきなので、この部分だけをフューチャーして語ることはできない。 云々…。
今のボートの主流はガニマタで膝をヘリに当てて、その部分に当て物をしてコックピット内の安定性を確保するタイプは減っています。
コーミング部分に膝を当てが確保され、足の形が「X」字で固定するように乗り込むタイプになってきています。
図はそのガニマタタイプではなく、膝をコーミングにフィットさせるタイプで考えています。
◆ビルダーの方は、コーミングサイズを決めるときに、忘れがちなのが、スカートを使うかどうかです。
オープンタイプで使わなければ、自由なサイズのコーミングを作っても支障がありませんが、スカートを使う場合(ナイロンのだぼだぼをつかう?ネオプレーンのキツキツをつかう?) それぞれの使用しようとしているモデルのサイズを事前調査しておき、そのサイズに適合できるように作った方がよいでしょう。
普通サイズのコーミング(カヤック競技用ボートのコーミングサイズは、縦79cm横45cmぐらいを目安) ボートのタイプによってコックピットのサイズは色々あります。 自作するカヤックのタイプによって、より快適に乗れるサイズを考えてみましょう。
==余談== ボートマンは体がでかいが、カヤッカーは小ぶりな人が多い |
依然知り合ったボートマンは、漕艇だったが、体格が僕より大きい。 それでも、海外の選手は2m以上の選手がほとんどだそうで、190ちかい彼でも小ぶり扱いだそうだ。僕も胸囲は102cmぐらいなので、普通の人よりは大き目のようだ。 現役から外れた今はやせてきたが、骨格はやせない。 でも、スラロームでも、海外の強い選手はやっぱりでかい。 |
20数年前まではコックピット間口が小さすぎて、膝が出ないモデルがほとんどで、膝も抜けるようになったのは画期的な改良と言われました。
コックピット自体がおかしいと、操縦不良からの怪我の懸念もあるだけに、自分で細かいサイズを作って試すことができるのは、なかなかですね。 「失敗は成功の元」