カヌースラローム世界選手権では、2023年9月22日23日と準決勝決勝レースがおこなわれます。
準決勝のレースは10名が勝ち残り決勝へ進むことが出来ます。
日本の選手も4名も準決勝に残ることが出来ました。
ハードなセッティングが予想されるファイナルゲートの構成を乗りこなせるのは誰なのか?
決勝ゲーツお披露目
やはり超ハード設定となったファイナル向けゲート。リーバレーの標準と呼ばれる100秒設定にされておりますが、さすが決勝に残る選手はなかなかペナルティをしないのですが、かなり厳しいレースとなりました。
コース初見所感
初見で見た感じでは、相当難易度が高い。その理由はアントレがレンからソルティがトのパターン、その逆、そしてレンエレン、トエト(fr)の4パターンがゲートに見られるだけで無く、そのオブストラクシオンのクーレが相当高く早い。一気に最高レベルのセッティングに1ラン見て分かるほど。これでは、女子カヌーだとスィッチングで両利きのパワーを備えていないと切り抜けられない。たぶん中盤でほとんどの体力を奪われるだろう。予選のウォールのポンピングパターンはオブストラクシオンに切り替わりながらもかなり背が高い。簡単に言うとコース全般でボートが動かない。これによって体力が切れた後半でさらにタイムをのぼせない。技術だけでは絶対にクリア出来ない。パワーレベルの高さがキーとなる。カレントに深いアンカーを入れターンするパワーと技術は男子選手しかできないかもしれない。
面白いと感じたゲートは#10で、シュートからのスターンからゲートコントロールをもとめられるラインが存在すること。感心してしまった。
確かに世界最高のレベルの選手のランが続くと決勝レースではうなりまくってしまいました。
アメリカのロッケン選手はすばらしいランをしていたが、キャプサイズロールしてしまった。一瞬のパドリングが吸い込まれる状況を作ってしまったことをフィニッシュ後悔やんでいたが、ファイナリストとして完成されていたと思う。
ソロレースの日本選手の準決勝と決勝の結果です。
2023 ICF CANOE SLALOM WORLD CHAMPIONSHIPS
GB LEE VALLEY, United Kingdom 9 – 24 September 2023
9月22日
カテゴリー | レース名(通過選手数 / 出場選手数) |
背番号 選手名(敬称略) | 順位 ポイント ペナルティ ゲート番号(ペナルティポイント) |
Men’s Canoe 男子カヌー |
準決勝結果(10/30名) | 国のポジション |
32 Haneda takuya 羽根田卓也 |
23位 108.61P #22(+2) |
14カ国目 |
羽根田卓也選手は決勝進出となりませんでした。最後まで出し切った感のあるランでした。
パリ五輪のグローバル予選でのカヌー割り当ては12で、ホスト国割り当てはないため12カ国分が割り当てられることになります。世界選手権でのパリへの道は暫定で、大会終了後2週間後に各国の五輪組織へ通達される予定。
1スロベニア、2フランス、3イタリア、4チェコ、5イギリス
6スロバキア、7ドイツ、8ポーランド 9アイルランド 10クロアチア
11アメリカ 12スイス 13スペイン 14日本 15中国 16ブラジル
ホスト国の割り当てが無いため、フランスはそのまま残り12カ国のグローバル予選の割り当てが決定することになります。
残りは大陸予選の各地区5国が加わり、全17国が決定します。
EU選手権 オランダ
黄色はオリンピック出場内定国
9月23日
確実に言えるのは日本のカヤック男子を背負っていける選手となったといえるのは、田中選手。今年の初夏あたりから何か掴むものがあったのだろう。素晴らしいラン。そしてそれに追随する成績。年令もこれから。すばらしい。
個人的に私が日本の監督だったら、パリに出れるのならば彼を出す。
大陸予選(アジア10月26~29日 葛西SC)に期待が持てる選手が登場した。しかし、他の多くの選手も今までの経験などからチャレンジしたいだろう。
代表選手選考レースをおこなっても田中選手は勝つ。今後冬場のトレーニングはとても重要。さらなるステップアップを願うだけ。
足立選手も良いランであったことはまちがいない。
日本の選考ルールは知らないが、未来に向けて切磋琢磨と緊張感の維持をする仕組みは作った方が良い。獲得者が代表者というのは弱小国のシステムとしてあるが、獲得者=代表者はあくまでもチーム戦略の問題が今後必要になったときに、監督は戦略を立てられなくなってしまう。日本の協会がそこまで考えているとは思えないのだが、「世界と戦うには」をもっと感じた方が良いだろう。
Men’s Kayak 男子カヤック |
準決勝結果(10/30名) | |
52 Tanaka Yuuki 田中雄己 |
15位 97.05P #12U#21(+4) |
|
29 Adachi Kazuya 足立和也 |
33位 105.07P ノーペナルティ |
田中選手と足立選手は決勝進出となりませんでした。
準決勝・決勝
イギリス、チェコ、モロッコ、スイス、オーストラリア、
イタリー、ポーランド、スペイン、スロベニア、中国、
スェーデン、ニュージーランド、フランス(ホスト枠アリ)、日本
アイルランド、スロバキア、ブラジル、カナダ、
EU選手権 オーストリア
黄色はオリンピック出場国内定
Women’s Kayak 女子カヤック |
準決勝結果(10440名) | |
34 Yazawa Aki 矢澤 亜季 |
28位 162.62P #6(+50) +60.49 |
矢澤選手は決勝進出となりませんでした。
準決勝・決勝
オーストラリア、スロバキア、ポーランド、オランダ、ブラジル
イタリー、ドイツ、英国、ニュージーランド、フランス(ホスト枠アリ)
スペイン、アメリカ、アンドラ、スイス、チェコ、オーストリア、
ウクライナ、日本
EU選手権 アイルランド
黄色はオリンピック出場国内定
kayakのパリオリンピックへのグローバル予選は15国
日本は15カ国以内に男子と女子のカヤックは入っていますので、このまま確定すれば出場資格通知がくることになるでしょう。
今後の五輪CK競技への所管
オリンピック予選は複雑で分かりづらい。だからファンがついてこない。最高のショーと商業圏の獲得の2兎を追うことがそうさせている。ショートしての成立もカメラ技術は未来になってきたとしても、観客に伝わるスリリングさは発展途上のまま。現代の形態を捨て、スラロームも新スタイルに、スプリントも新スタイルでマーケティングすることはできないものだろうか。