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ホワイトウォーターの事故から学ぼう

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これからカヌーカヤックシーズンも本格化していきます。上流域のホワイトウォーターの事故例から何かを学んで自分の物にしておけば、リスクへの思考も及ぶようになります。
この事故例から考えてみましょう。

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事例 ケース1
ホワイトウォーターのダウンリバー

Aさんは友人たちと車で上流域でカヤックのホワイトウォーターがランできそうなところを探して、川沿いを上って行きました。

途中,車が道路横に寄せられそうな場所があり、川へ道から7,8mの急坂を降りれば河原に出られそうな場所を見つけました。

川はクラス2ぐらいの流れにみえましたが、川幅がやや細い為、カレント域が川へり近くまで来ており、そこからボートは出せそうにありません。
下流側にちょっと歩くと、土砂が川へりをふさいでいる場所があり、そこにはエディができていました。
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そこからなら、安全に出発できそうな5mぐらいの円状の広さでした。

ホワイトウォータのカヤックダウンリバーの経験:
B:ベテラン経験者Bさん1人と
A:経験やや多いAさん、
C:経験者Cさんで、
ダウンリバーすることになりました。

ランスタート

ボートを降ろし、エディまで運び入水です。
ベテラン経験者は他のメンバーに注意事項をいくつか伝えました。

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ラン開始です。
Cさんはブレイクアウトをそのまま下流側のカレントに乗らずにラン開始しました。
Bさんはブレイクアウトでカレントに乗り、続きました。
最後にAさんがブレイクアウトでカレントに乗って出発しました。

Cさんはカレントセンターではありませんが、川へりでも流水が早く、どんどん進んでいきます。
Aさんはカレントに乗っていましたが、波の影響を受けながらで、Cさんに追いつきませんでした。

そこでAさんはカレントから外れて川へりの流れに乗ることにしました。
川へりは、木が茂っていて、上から枝が水面に向かって沢山伸びていましたが、葉が茂る季節の前だったので、早い流れに乗っての視界の情報が多く、枝が良く見えません。

そして事故

そして、Aさんは枝に体を引っかけて転覆してしまいました。
ロールで起き上がろうとしたのですが、流水の下には岩があり、肩を強くぶつけてしまいました。
強すぎる衝撃でした。
肩に激痛が走り、起き上がるどころではなく、意識一杯になりながら脱艇して、また腕が動かずパドルも離してしまいました。

垂れ下がっている枝に無我夢中で肩の痛みをこらえ掴み、流れがやや弱い方へ移動しようとしました。

転覆あたりからBさんが追い付いており、大丈夫かと声をかけていましたが、流れが速いので、留まりつづけられずに枝を掴み、Aさんの状況を見て、逃げ道を探していました。

Aさんは、Bさんの協力で陸に上がることができ、顔面蒼白で肩が痛くて立つのもやっと、疲労困憊ながらも、急いで病院へ向かいました。肩が脱臼していました。

このような 状況で
何を感じましたでしょうか?

その一:スカウティング
ベテラン者は流れの状況での「エディを見つけたら入って待って」と対応と、簡単な一言二言の注意点だけを話していた。
下流域のスカウティング不足でなんとなく下って行った。

・川の横から入れず見えなくなるエリアもあり、全てのスカウティングをする事は難しいのが現実。

・シーズン初めは要注意:地震や、増水など自然による川形状の変化や、落石などによる川状況と川底の変化などがあり、昨年末に下ったからといって、同じ状況ではない。

・春先の雪解けなどの増水で流れが速くなっている。:川幅が広がらないエリアでは、流れのスピードが速くなる。川へりまで流れが速いときには、状況判断後のエスケープも難しくなる。

・枝のしだれ:葉っぱがついていれば、見えやすくなるが、細い枝が無数に続く場所では顔や体に当たりまくる。目の保護や服装や装備品にひっかかる事もあり、カレントに乗ったほうが良いのか?へりを進んだほうが良いのか?選択の要素となる。

・ボイルや白瀬、ウェーブをよく見る。
カヌーカヤックジャパン史上最強ハンドブックにも書いたが、川の流れの状況判断は、多くの流れを見ているかの経験値の差となってしまう。
動体視力がそうとうでも、情報を今度は整理して動作にうつさなければならない。まずは、流れを見極める、そしてそれが何なのかと危険なのかを瞬間的に判断できるようにする。
この手順ができないと動作が無駄になってしまいます。
多くの人はだらだらなんとなく、本気に見えない人ばかりだが、真剣にやらないと今回の事例の様に事故や最悪死に繋がる。

偶然エスケープエリアがあったため、Aさんは逃れることができたが、下手をすれば、力尽きて流され、また流れのパワーにより別な岩などに激突してさらなる怪我を増やしてしまう。

リスクマネジメントとは、このような状況のデータを一つでも多く知り、知識としておくことで、スカウティング時に必要なリスクと対応に考えが行くことになるのです。

そうすればベテランカヤッカーも、もしもの時の対応策をブリーフィングしてから乗り込むことができたはず。

=結論=

ベテランといえども、安易な人は結構いるので、自分の命は自分で守るためにも、初心者に限らず、頭に入れておくことをお勧めします。

慣れは危険への足をかけている状態です。より慎重に・・・。

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