カヌー カヤック ネット マガジンニュース。女子選手のカヌーカヤックのU23クラスの注目のジェシカフォックス選手がまたやっちゃった。
レースで最高のパフォーマンスを見せていた彼女がやった失敗。その解説を交えてC1Wの順位など。
女子カヌーとカヤックの決勝レース
ジェシカフォックス選手がカヌー一人乗り決勝でちょっとハードラックな出来事で順位を壮絶に落としてしまいました。
調子よく滑り出した、決勝戦のラン。#4が判定で不通過と最終的に判断されたのですが、現場では不通過かどうかはとてもわかりづらい状況のようでした。
それは、下の写真をご覧になってください。
CKNMのジェシーのミス解説
写真上は通過前にボートがややゲートから行きすぎたためにサイドウェイズを行おうとスィッチしパドルを寄せたが効果なし。繰り返そうとしたがパル面の向きが悪く吸い込まれ安定性を失って横転しそうになった、がブレース(実際はドロー。すごいよこれ相当な体幹がないと女子ではできない)で凌いで起き上がった(写真下)そして#5へのラインに乗ったのです。
つまり、最初の効かないサイドウェイズパドリングのミスと、リピートした時のパドルアプローチのミス。これがやっちゃまずい場所でやっちゃだめなタイミングで起きてしまったハードラック。弘法も筆の誤りと言ったところでしょうか。
はっきり言ってどうしようも無い。すぐに判定が出ればくぐり直せるだろうが、フィニッシュ後に知らされたのでは対処しようが無い。
驚異のレーサーFOX
それにしても、ジェシーのエッジングの角度が異常なテクニックがあり、ほぼ90度でエッジを立てながら前進し左右自在なショルダードロップが行える。こんなテクニックジェシー以外に見たことが無い。
バウドローをかけずに270Dからパワーコンビネーションのアクセルまで0.2秒ぐらい。(このシャープさはヨーロッパ独特の教育スタイルを感じる)
ラインの幅も限界線の5cm手前まで有効に使ってくるためスピードが限界まで落ちない。(これは最近のテーマのようで以前より良く目にするが、それは前記のテクニックが完成されたからだろう)
シュートも無意味に跳ねないがスピードは他よりも高い。(常にコントロール可能な状態)
全ての意識が繊細でパワフルで計算されているため、書き切れない。
そしてレーサーとしての熱さ。
すごいを超して全てを圧倒させるラン。
世界で勝つにはこれ以上できなければならないなんて、目の前真っ暗になった人も多いでしょう。
がんばろーぜ、
解説はしてあるのでヒントは掴みやすいはず。
Canoe Single (C1) Women U23 Finals
順位 | 背番号 | 選手名 | 国 | ペナ | 総合点 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | Mallory FRANKLIN | GBR | 0 | 109.08 | 0.00 |
2 | 5 | Tereza FISEROVA | CZE | 0 | 112.25 | +3.17 |
3 | 2 | Kimberley WOODS | GBR | 2 | 113.95 | +4.87 |
4 | 8 | Ana SATILA | BRA | 2 | 116.15 | +7.07 |
5 | 4 | Viktoria WOLFFHARDT | AUT | 2 | 118.87 | +9.79 |
6 | 28 | Martina SATKOVA | CZE | 0 | 124.28 | +15.20 |
7 | 18 | Nina BIZJAK | SLO | 2 | 124.77 | +15.69 |
8 | 13 | Cecile TIXIER | FRA | 2 | 128.18 | +19.10 |
9 | 12 | Lucie PRIOUX | FRA | 4 | 155.99 | +46.91 |
10 | 1 | Jessica FOX | AUS | 52 | 158.92 | +49.84 |
ありえないゲート不通過判定でへこむジェシー
フィニッシュ時にもジェシカ本人は出し尽くしたベストランの意識があったようで、満足感漂う、そしてアンダー選手権の全てを勝ってきた選手の安堵感がただよいました。
が、その後のゲートジャッジで-50点が追加されたのを聞いて、すごく驚いて、ビデオを見直したけどよくわからなかったとジェシカ本人も相当へこんだ様子。
フィニッシュでは勝ったと思っていたのですが、最後の判定でとても気持ちが整理できませんが、レースとは良いときも悪いときもあるから・・・と言っています。
“There are days when you can have great big lows, and to come around and get back out there, it’s what I love,”
Kayak (K1) Women U23 Finals
カヤック女子一人乗りはジェシカフォックス選手が24時間の喪失感を乗り越えて優勝。
順位 | 背番号 | 選手名 | 国 | ペナ | 総合点 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Jessica FOX | AUS | 0 | 101.21 | 0.00 |
2 | 2 | Ana SATILA | BRA | 0 | 102.69 | +1.48 |
3 | 8 | Klaudia ZWOLINSKA | POL | 0 | 103.61 | +2.40 |
4 | 15 | Nina WERATSCHNIG | AUT | 0 | 106.88 | +5.67 |
5 | 5 | Lisa LEITNER | AUT | 8 | 107.48 | +6.27 |
6 | 43 | Kseniia KRYLOVA | RUS | 0 | 108.72 | +7.51 |
7 | 4 | Kimberley WOODS | GBR | 0 | 109.81 | +8.60 |
8 | 7 | Viktoria WOLFFHARDT | AUT | 4 | 110.89 | +9.68 |
9 | 19 | Viktoria OROKOCKA | SVK | 2 | 111.20 | +9.99 |
10 | 10 | Barbora VALIKOVA | CZE | 6 | 114.08 | +12.87 |
昨日の出来事は精神的にあり得ないほど疲れたといっているFOX選手。
「動揺しまくっても切り替えなければもっと残念になってしまうだけに、今日のレースは絶対にアスタリスクや不通過の判定はスコアラーに書かせないと決めてゲートの中心だけを考えてランをしました。今日勝てたことは昨日の50倍ぐらいのテンションがあがったことで心の埋め合わせができた。」
と最終的にカヤックで優勝できたことは相当うれしかったようで、自分の気持ちと結果が同じ事ができるのもフォックス選手だからできることなのでしょう。
1994年6月11日うまれの彼女はU23に出られるのも今年限り。
U23やジュニアの世界大会での思い出を聞かれ、ラストランで成績が出せたことや、ペナルティや色々な出来事が沢山あって語り尽くせない。とても自分も楽しめたし、成長させてくれたことは感謝しています。