2022ger slm heatcourse - カヌースラローム世界選手権の予選コースをチェックしてみた

カヌースラローム世界選手権の予選コースをチェックしてみた

スラローム
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2022年7月末にドイツで行われた世界選手権のコースをチェックしてみました。
何年か前は、スラローム自体日本で知らない人が多いために、解説を書いて見所をチェックできるようにしていましたが、最近はほぼ記事にしなくなりました。
そこで、たまには、見方が分からない人向けに、簡単に説明してみたいとおもいます。
普通の解説と*印は高度なもの、具体的には書きません。全部*は書かないよ。

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予選決勝とありますが、予選コースのみにしました。
ライブ動画のリンクはこちら

アップストリームゲーツ UG を白の縞模様(上流に向かって2本のぶら下がっているバーの間を通過する)
ダウンストリームゲーツ DG と白の縞模様(下流に向かって 以下同文)

予選コース

アップストリームゲーツ(1番、7番、10番、15番、18番、22番)全22ゲーツ
日本語に当てて3つの区間にこのコースを分割します。流れの関係で上流などでの区別ではありません。

基本:このコースは幅が狭めでS字のうねりが続くコース。世界大会の流水はかなり強めで、パワーが絶対的に必要。
アンカーをきっちり決められないと、そのまま流され、笹舟のように流されていくだけとなってしまう。
もうひとつはコースに点在するボイルを生む岩があるため気を抜けない。

上流区間(1~7)

1:スタートから1番へのアプローチは最初に40cm程度のスロープから始まる。ランディングをセンターに取る選手が多くそれはカレントの中央の早い流れをキャッチしてスタートダッシュを決めたいと言うことだろう。しかし、一番は右側にアップゲートがあり、ゲート手前2艇身ほどから斜行する形でアプローチ。この角度を間違えるとポールに当たるペナルティを生む。パドルの入れ方が鋭角でパワーを持ってるものを入れる必要がある。
*このボートとボディのリズムの一体感がどのようにこのターンのポイントで合わせて行動に出せるのか、それは見て取れるが、そのリズムを見せてくれるのは一部の超絶名人達だけ。

2:1番の脱出からカレントに戻る。2番(DG)ゲートがカレント左にあるので、トラベルゼするが、通過は可能でも、ボートのコントロールができないとタイムが出ない。

3:2番のカレントの水流を生かしたいが、3番との間にボイル岩があるため、乗り切れない。左からのアプローチとなるが、ここで漕げないと遅れてしまう。しかし、難しい場所だ。スピードが死んだ時点でのアクセレーションは相当なパワーを消費してしまう場所。

4:3番がイージーに見せる罠に気が付かないと4番で100%遅れてしまう。S字うねりのカレントのトラベルゼがボートの挙動をおかしくする。

5:4番から5番はウェーブ30cm程度縦に視線が変わるので事前のターゲットへのコンセントレーションをもってパワーアプローチができなければまたも遅れる。スピードが乗るほどポンピングしやすくなりボートのコントロールが暴れ馬となり難しくなる。

6:5番から緩やかに見えた水面、それはシュートの予兆である。かなりの落差の勾配を感じさせるやく1.5mのもの。ライン修正できないポイントにゲートがあるが、ここを外すことはないだろう。

7:シュートを中央のラインからカレントに乗る。バックウォッシュのないシュートのラインのため、ライン自体は自由に取れる。そこから左アップゲートの7番がカレント左の壁際に設置されている。アンカーが効かない選手は流されてしまう。
*このシュートへのアプローチとヒッチでコントロールしながらアップゲートへアプローチするという技があるが、相当な選手でないとできない。

8:ターン後カレントに乗り、下流にそのまま設置された右の8番へ。ここは、きっちりパドルを入れない選手は遅いだけでなく、ポールをくぐる、よける姿勢となりやすく、ペナルティを生む。

中流区間(8-16)

9:8番後のカレントがブロックウォールにあたり、強制的に流れが変わる。センターの9番がその流れ終わりにある。*これはスィッチングの意味が大きい。ボート挙動をいかに完璧にコントロールするのかを考えれば、どういうパドルアプローチをしなければならないのかという基礎的な問題にたどり着くわけである。

10:ここが、難しい。うかつに9番に安心していると、ウェーブが直後に待っているために10番UGへのアプローチが大回りさせられてしまう。エスケープからの登りは確保されているので、飛ばすことはないだろうが、大きな遅れとなってしまう。*ボートの使い方は単純に正常位でランしていてもそれ以上はないと言うことが分からなければならない。限界はそこではない。

11:ここも、パワーアンカーが必要で、10番から安心してカレントに乗ってしまうと、11番DGはカレント右にややずらしてあり、そのまま乗っていると、姿勢を崩した通過を強いられてしまう。*この体重移動は左右だけではないことを知らなければならない。バウンスとは何か基本的な操作であるにもかかわらず知らない人が多い。

12:11番からウェーブが難しい。これを超える速さで大きく違う。、そして体力を奪われてしまう。12番の後ろは大岩で流れを分断する。右側から白瀬のない水面、後にシュートに繋がるラインに乗る。
13:シュートが40cmぐらいのバックウォッシュにゲートが設置されている。*スイッチングのタイミングのロスに関していつやらなければいけないのかの課題を克服していますか?

14:13通過後センターの14DGへ。14の後も小さな段差があり、そこから15UGへ

15:アプローチは段差の後ろのエディに15が設置されている。集中力を持ってアプローチしないとだらだらっと流されてしまう、こんなところで絶対に失敗は許されない場所というあせりがさらに難しくさせてしまう。ボートのスライディングをする選手はより難しいかもしれない。

16:うねりの後のコースライン修正用のゲート。センターに。

下流区間(17-22)

17:再びカレントが生まれてトラベルゼの右端にDG17番がある。16からきっちり見極めたラインで超えておかないとこのゲートに間に合わなくなって、いらない上流への漕ぎをすることになる。また、姿勢がおかしくなることで、つぎのゲートへのアプローチへの遅れが大きく出てしまう。体力的にも正念場。

18:左ボトムアップ台地となり、その後すぐ右のブロック岩でカレントが強制的に変えられたシュート1mの後ろのエディに18UGがある。ここはきれいに渦が回っているので乗っていれば、そうそう遅れても大きなロスにはならないだろう。

19:18出た後のカレントだが、ボトムアップ台地の薄い流れからゲート手前でシュートする。
このあたりはポップアップの台地がコースに長く斜めにあるため、流れが2種類混在しているため、見極めが難しい。*18からカレントに乗るためのアプローチ距離を大きくとりながらの白瀬のトップでの早い転回が19番へのアプローチの見本だろう。

20:ゲート後のバックウォッシュをこえて、カレントが右側へ流れ込むがセンターに19DGがある。

21:左カレントへ、そのまま。タイムを意識すると、20-21と攻めたくなってしまうが、それがペナを誘う。

22:最後のUG、難しいうねりが巻くが漕ぎきるしかない、そしてフィニッシュへ。

総評

全体的に、この世界選手権のコースは予選といえども相当な難しさをかんじる。
それぞれのゲートに最高のものを求めるテーマが見えすぎて、怖くなってしまった。
個人的な所感です。もっとよく見れば色々ありそうですが、簡単にまとめました。


写真はあとで時間が合ったら貼る予定。
動画みながら楽しんでください。

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