2021年8月3日女子カヤック一人乗り200mの決勝レースが行われました。
多分、競技をやっている人なら、このタイムを見たらびっくり仰天するでしょう。一人じゃない全員のタイム。
暑さは水温の上昇につながり、それがタイムの向上につながることはだれもが知っていることですが、これは脅威。
今までではありえない。どれだけ壮絶なレースだったのかを物語っています。
スタートはほぼ差がありませんでしたが、キャリントン選手の高レイトなパドリング(カルタベイトブックにも書いた)はこのようなボートが浮きやすい状況ではより速いレイトを出すことができるのは理論上ありえていたが、本当に私が計測したNoRの時よりもはるかに上のローテーションをしている。100m手前地点のPRを書いてあるが、これは、例えばマルタ選手の漕ぎ方との違いで差がある。このあたりの相関についても(カルタベイトブック見れば書いてある)ため、PRを一概に比較してはいけない。
100mを過ぎた時にキャリントン選手は半艇身以上差をつけた。オーバードライブといえるようなランがみれる。このままフィニッシュラインまで、体力に余裕があるように見えるほど、差もつけた。完全なる勝利。続々とわずかな差で各艇はゴールした。素晴らしいレースだった。超人レースといえる。
A決勝 K1W-200m
順位 | 国 レーン | 選手名 | タイム | 差 | 身長 | PR |
金 | NZL 5 | L. CARRINGTON | 38.12 | —– | 168cm | 165pr |
銀 | ESP 9 | T. PORTELA | 38.883 | 0.763 | 172cm | |
銅 | DEN 3 | E.A. JORGENSEN | 38.901 | 0.781 | 169cm | 156pr |
4位 | POL 7 | M. WALCZYKIEWICZ | 39.17 | 1.05 | 165cm | 150pr |
5位 | SWE 1 | L. STENSILS | 39.287 | 1.167 | 179cm | 156pr |
6位 | HUN 4 | D. LUCZ | 39.442 | 1.322 | 171cm | 148pr |
7位 | ITA 8 | F. GENZO | 40.184 | 2.064 | 172cm | 147pr |
8位 | GBR 6 | D. KERR | 40.409 | 2.289 | 173cm | 153pr |
9位 | CAN 2 | A. LANGLOIS | 40.473 | 2.353 | 154cm | 151pr |
優勝のキャリントン選手「この種目がオリンピックで行われるのがこれで最後になるなんて、本当に残念でなりません。この種目は私に多くのものを与えてくれましたし、他のすべての競技にも役立っています。唯一の存在であることは特別なことですが、もっと多くの人にこの機会が与えられることを期待していただけに残念です。」
今大会4つの金メダルを目指してまだまだ戦い続ける彼女。K2W-500にはライバル選手もいるだけに次のレースも期待したいですね。
銀メダルのスペインのテレサ・ポルテラ選手はオリンピックのカヌースプリントでメダルを獲得した初のスペイン人女性で、しかも39歳で6回もオリンピックに出場しているのですが、初メダル獲得という長年の夢がかないました。
「夢が叶いました。6回目のオリンピックなので、とても嬉しいです。オリンピックのたびにメダルを夢見ていました。毎年トレーニングをして、さらにトレーニングをして、このメダルをつかみ取りたかったのです。」