2018年9月25~30日にかけて行われたカヌー・カヤック スラローム 世界選手権 ブラジル リオ デ ジャネイロのイベントも終了しました。
最終日の個人戦の結果です。最終日はカヌー女子一人乗り決勝とカヤック男子一人乗り決勝が行われました。
エクストリームは記述しないつもり。日本選手の29日の準決勝結果も書いてあります。
カヌー女子一人乗り決勝
このレースの注目はジェシカフォックス選手がC1も優勝するのかと言うところです。昨日の準決勝では2位。しかもトップはイギリスのベーザン フォロー選手という伏兵のトップに2.35秒も遅れてしまったのです。
この、思いも寄らなかった展開に、ジェシーの精神力の強さが試される事でしょう。
3位は地元ブラジルのアナ サティラ選手と言うことで、まさかの地元優勝を狙っているかも知れません。
決勝レースはかなりの盛り上がりを見せることになりそうです。
決勝レース
ソナSONA選手はヘルメットをかぶった姿がかわいい選手、残念ながら不通過をやってしまいました。次のストックリン選手も#15で不通過、仰向けでの通過はゲートザクロスラインのミス。ロザリン選手は10番でスルーで回り込みの通過で大きなロスオブタイム。地元ブラジルのサティラ選手は#16UPでタッチ。全体的に大回りが多く、攻めていたとは言いがたかったが、所々良いラインを取っていた。フィニッシュ後ボートにうつぶせになって悔やんでいるようだった。
次はジェシカ選手、この人のカヌー早さの根本的なことに気がついている人はいるだろうか?日本ではいないだろう。私が観察し続けて見抜いたかもしれないこの技術はここで書くことはないが、東京オリンピックが終わったら、何かしら本にして出すかも知れない。
それはともかく別次元のランだったと言うことは間違いない。本人もフィニッシュ後、水上で最高のパフォーマンスができたという感情を表し、最高の笑顔で競技終了となった。
■決勝順位 金 1 FOX Jessica AUS 109.07 0 109.07 銀 2 FRANKLIN Mallory GBR 111.85 2 113.85 +4.78 銅 7 FISEROVA Tereza CZE 114.74 2 116.74 +7.67 4位 6 WERATSCHNIG Nadine AUT 115.15 2 117.15 +8.08 5位 9 WOLFFHARDT Viktoria AUT 117.31 0 117.31 +8.24 6位 5 SATILA Ana BRA 115.41 2 117.41 +8.34 7位 8 LAWRENCE Rosalyn AUS 121.26 0 121.26 +12.19 8位 31 FORROW Bethan GBR 120.20 4 124.20 +15.13 9位 14 STOECKLIN Lena GER 121.49 50 171.49 +62.42 10位 19 STANOVSKA Sona SVK 121.23 52 173.23 +64.1 |
ジェシカフォックス選手は、表彰式のトップの壇上に上がる前に感極まって目に涙が溢れんばかりになりましたが、メダルを受ける前なのか、涙を流すのはこらえにこらえて、自分の表彰順番を待ち続けていました。そして、自分の表彰となり、壇上で大きく何度もジャンプし、喜びを表していました。
カヌースラローム世界選手権5連覇に涙ぐむジェシー。
World Campion Ships&Olympic Gamesの成績一覧表です。1994年6月11日生まれの24歳166cm63kg。10年間で伝説を作ってしまう彼女は、まだ24歳。これからもずっと勝ち続けるだろう。
年度 | WCH開催場所 | C1 カヌー | K1 カヤック |
2018年 24歳 |
ブラジルRIO | 優勝 | 優勝 |
2017年 23歳 |
フランス ポー | 優勝 | 優勝 |
2016年 22歳 |
RIOオリンピック | 競技無し | 3位 |
2015年 21歳 |
ロンドン リーバレー | 優勝 | 4位 |
2014年 20歳 |
米国 ディープクリーク | 優勝 | 優勝 |
2013年 19歳 |
チェコ プラハ | 優勝 | 18位 |
2012年 18歳 |
ロンドンオリンピック | 競技無し | 2位 |
2011年 17歳 |
チェコ ブラスチラバ | 8位 | 23位 |
2010年 16歳 |
スロベニア タッセン | 3位 | 5位 |
2009年 15歳 |
スペイン ラセウ | 3位 |
Another C1 world title (her 4th), another K1/C1 double (her second) undefeated in C1 for entire season, and now the most successful female paddler of all time! Congrats Paddle Australia's Jessica Fox – Canoe Slalom Athlete
Planet Canoeさんの投稿 2018年9月30日日曜日
カヤック男子一人乗り決勝
K1-Men Semi Final準決勝トップはイギリスのジョセフ クラーク選手と順当にポジションを確保しています。準決勝のレースでオーストリアのルシアン デフォー選手やドイツのセバスチャン シューバート選手が決勝に進めないというハプニングと、最も驚かせてくれたのが、ポーランドのミカエル パスイット選手が2位タイムポイントを出して決勝に進出、ロシアのパベル イージェル選手の二人が代わって決勝に進むという、今年の最後のレースはどうなるのでしょう。
決勝レース
ドイツのハンス エイニャー選手はRIOでは4位と表彰台に乗れませんでしたが、確実に上位に残る選手として早さには定評があります。RIOオリンピックの表彰台選手が出ていますので、なんとか彼らよりも上に立ちたいと思っているでしょう。スタートしてからすごいクリアなランが続きます。タイムは89.69このスタート順でこのタイム。きれいなランだっただけに、表彰台は間違いなさそうです。
イタリアのジョバンニ選手の#10ゲートの通過は、同じテクをする選手の中でもパワフルさを感じ、流石という感じを受けました。
しかしタイムがついてこないという本人も納得できない結果となってしまいました。
このテクは、何人かの選手も行っており、今後必須ですね。しかし、クリアはできるが、速いか遅いかは別問題。ジョーはやっていなかったし、両刃の剣にはなっていないテク。
2011年にチャンピオン経験のあるペーターカウザー選手、RIOオリンピックでは銀メダル。途中#20UPでタッチのあとに#22でポール直撃パドルでポールを払ってしまった、不通過判定となり、残念な結果に悔しさでデッキをグーで叩いてしまう。
昨年の世界チャンピオンのオンドレツンカ選手でしたが、なにか冴えません。ファイナリストとしては普通のランでおわってしまいました。
JIRI選手はRIO銅メダリスト。今年最初の金を目指してのランです。この選手は今季パドルのレングスを変えてきたという感じがする。ランも最高ですが、レースでバランス系がタイム的に長めに入ったためこの時点ではトップタイムですが、もう一つ突き抜けていないと、この時点で金確定とは言いがたい、勝つか負けるか微妙なラインです。
注目のミッシェル パジアット選手#10でタッチ、やはり前走のジリ選手を見た直後だと、早さに物足りなさを感じてしまう。ターンも大き過ぎた。セミファイナルでよかっただけに・・・。
RIOオリンピック金メダリストののジョークラーク選手。#3UPタッチ#15タッチ。速いだけにもったいなかった。
■決勝順位 金 5 AIGNER Hannes GER8 89.69 0p 89.69 銀 2 PRSKAVEC Jiri CZE 90.65 0 90.65 +0.96 銅 23 EIGEL Pavel RUS 92.17 0 92.17 +2.48 4位 9 NEVEU Boris FRA 90.83 2 92.83 +3.14 5位 4 CLARKE Joseph GBR 89.37 4 93.37 +3.68 6位 13 TUNKA Ondrej ZE 93.80 0 93.80 +4.11 7位 2 PRINDIS Vit CZE 92.85 2 94.85 +5.16 8位 8 DE GENNARO Giovanni ITA 94.93 0 94.93 +5.24 9位 24 PASIUT Michal POL 93.25 2 95.25 +5.56 10位 1 KAUZER Peter SLO 100.61 52 152.61 +62.92 |
日本選手結果
■C1-Women Semifinals (30名)
準決勝(10名通過)
30位 八木愛莉やぎあいり選手 208.19 (56p #8D #12D #21D 不通過#22) +93.99
■K1-Men Semifinals (40名)
準決勝(10名通過)
37位 吉田拓よしだたく選手 106.33 (0P) +14.55