ブラジルリオで行われているカヌースラローム世界選手権2018。9月29日の競技の結果です。
ゲーツ24(UP3、6、15,16,20,23)
今回の鬼門は、タイミングを逃すと戻れないのがシュートにある22番Dのゲート。21番からのアプローチをミスした時点で、+50がついてしまう可能性が高くなる。
男子選手ならパワーが残っていれば登れる可能性は否定できませんが、女子選手ではまず無理。
その辺のアプローチも見所ですね。
ランを見ながら印象を書いてみました。
今回のストリーム、カメラアングル悪いよね。
29日はカヌー男子の決勝と、カヤック女子の決勝がおこなわれました。
カヌー一人乗り男子金 9 ANTON Franz GER 97.06 0 97.06 |
カヤック一人乗り女子
■スタート一番手はFRANKLIN Mallory GBR準決勝でミスってギリギリの決勝進出ですが、優勝はあり得るので、目標タイムの指標として見れる選手です。スタートしてから、とても良い感じなランで、ロスなくフィニッシュしました。鬼門後の#23もかなりタイトにターン。104.34とタイムも速い。優勝はこのタイムか、前1.5秒ポイントの間ぐらいかなと感じます。
■2番手HORN Stefanie ITA攻めている、3番アプローチミスしかけたが、漕ぎきって良いポジションまで持ってきたた。ロスは多く感じた。
■3番手は地元ブラジルのSATILA Ana 声援がすごい。鬼門でポールにパドルがタッチ。3タッチともったいなかったが、地元で攻めない選手は最悪だけに、ファイナリストに残ったことがおおきい。
■4番手は、優勝の目があるKUHNLE Corinna AUTです。次のジェシカフォックス選手の前なので、プレッシャを与えるタイムを出しておきたいところです。2010,2011の世界チャンピオンですが、まだまだ決勝に残れる強さがあります。スタート後、#2D後のアウトフローに捕まって結構なロスオブタイム。しかしながら、トップセクションでのランは相当速い、良い感じ。#17D要らないタッチ、肩に当たってしまう。フィニッシュ後パドルを放り投げてしまう。確かに・・・という感じはする。
■FOX Jessica AUS
スタートから、もちろん飛んでいる。#10番Dのディアゴナルのエンド部のウォールの使い方きれいだった。#19Dで体を残してボートを走らせたり、#22Dでのボディパワーのすごさ。フィニッシュ102.06ポイント。これは、決まりという感じがする。
これほどのラン見せられたら、うなっちゃよ。パドリングが洗練されてる・・・。
伏兵選手が6番手から9番手まで続きます。
■6番手SCHORNBERG Jasmin GER#22で後ろ向きに降りてしまい、転回しようとして、パドルがポールに当たってしまった。登ろうと手前に行くがウォールに阻まれ入れなかった。
■7番手PENNIE Fiona GBR#22不通過、真横を通ってしまった。ランを見てる感じでは、完全にゲートのポジションを忘れていたというランだった。
■8番手JONES Luuka NZLはここRIOオリンピックの銀メダリスト。途中でバランス取りに行って、ロスオブタイム。
■9番手KRAGELJ Ursa SLO。一発勝負に出るのかが見物。出だしは丁寧だったがすぐに2番から熱くなった。その2番不通過に見えるほどのアングル。ストリームでのスピードがわずかに遅い。しかし、アップゲートのターンはきれいに決まっている。#22フローのウォールでやや苦戦。
#13タッチはいらなかったな・・・。でも、良いランでした。
■最後は準決勝トップだったFUNK Ricarda GERのランですが、ジェシカフォックス選手がトップでかなりのタイムを出しているため、ミスは絶対に許されません。なぜなら、ジェシーのタイムをリカルダのタイムが、2秒をも詰めきれるタイムでないからです。2017年間チャンピオンの維持を見せたいところです。
スタート、出だし#2でボートバウが、かすかながらタッチ。ここから、絶対に当たらないようなランに変わっている。丁寧すぎる、そして攻めるところは攻める。もう絶対、タッチは許されない。ジェシーも未だわからない状況に顔を手で覆い隠す。そのままフィニッシュ。
105.32ポイント。タッチがあったのに、攻め切れていなかった。
きれいなお手本みたいなランだったが、勝つランと違っていた気がする。
レースは終了した。
決勝順位金 2 FOX JessicaA US 102.06 0 102.06 |
ジェシカフォックス選手はデビューからすさまじい選手でした。
ジェンダーで競技改正が行われるまで女子カヌーはなかったのが遠い昔のように感じますが、これからの競技なのです。World Campion Ships&Olympic Gamesの成績一覧表です。1994年6月11日生まれの24歳166cm63kg。
年度 | WCH開催場所 | C1 カヌー | K1 カヤック |
2018年 | ブラジルRIO | ※最終日決勝戦 | 優勝 |
2017年 | フランス ポー | 優勝 | 優勝 |
2016年 | RIOオリンピック | 競技無し | 3位 |
2015年 | ロンドン リーバレー | 優勝 | 4位 |
2014年 | 米国 ディープクリーク | 優勝 | 優勝 |
2013年 | チェコ プラハ | 優勝 | 18位 |
2012年 | ロンドンオリンピック | 競技無し | 2位 |
2011年 | チェコ ブラスチラバ | 8位 | 23位 |
2010年 | スロベニア タッセン | 3位 | 5位 |
2009年 | スペイン ラセウ | 3位 |
2位じゃ許されないような選手って、超人ですね。何年か前の記事でカヌー女子選手の遠征費もでない深刻さを記事にしたのを思い出しました。