準決勝でミラクルな事件が起きました。
カヤック男子一人乗りの足立選手が決勝進出したのです。
準決勝に進出した40名の選手達。予選2でぎりぎり通過した為、3番手スタートの足立選手は覚醒しました。トップセクションでかなりのハイペース。クリアなランがつづいています。ミドルセクションもその貯金を持ったままボトムセクションへ。
日本チームの弱点であるボトムゾーンでもクリアなランが続いたのです。
準決勝 順位 |
背番号 | 選手名 | 国 | ペナ | 総合点 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 14 | Sebastian SCHUBERT | GER | 0 | 96.67 | 0.00 |
2 | 1 | Jiri PRSKAVEC | CZE | 0 | 97.11 | +0.44 |
3 | 2 | Peter KAUZER | SLO | 0 | 97.59 | +0.92 |
4 | 37 | Kazuya ADACHI | JPN | 0 | 97.89 | +1.22 |
5 | 6 | Hannes AIGNER | GER | 0 | 98.64 | +1.97 |
6 | 4 | Jakub GRIGAR | SVK | 0 | 98.88 | +2.21 |
7 | 18 | Alexander GRIMM | GER | 0 | 98.96 | +2.29 |
8 | 8 | Ondrej TUNKA | CZE | 0 | 99.09 | +2.42 |
9 | 10 | Vit PRINDIS | CZE | 2 | 100.06 | +3.39 |
10 | 12 | Lucien DELFOUR | AUS | 2 | 100.32 | +3.65 |
このメンバーを見てください。世界屈指のメンバーの中にいるなんて!!!
足立選手の準決勝でのランを見てみましょう。
足立選手
好成績のヒントと考えられるもの
・ピヴォット
・ボトムゾーンでの体力
・意味のないIN攻めをやめた。
とても良い感じでのランが続きます。
特に体力切れが起きていたミドルセクションの後半でも、今回かなりの維持を見せていました。
クリアなランをこなせるスピードを保てるのには、相当な体力強化が必要です。
NHK杯では寒すぎた環境では、見せられなかったのか、このWC2での覚醒に世界は驚きを隠せません。
決勝レース
決勝は先ほど行われました。
オーストラリアのデフォー選手からスタートしました。
2番手のチェコのプランディス選手は素晴らしいラン。準決勝9番手とさえなかったのですが、やはり本物。きれいなクリアで97秒台のターゲットタイムを出してきました。
3番手のチェコのツンカ選手。全くコースと合っていない波長。タッチが続き、首をかしげての不通過。インプローブブックにも書きましたがやってはいけない通過方法丸出し。その後レースを捨ててしまいました。最悪です。
4番手はドイツのアレキサンダー選手。出だしでタッチペナルティですが、直後からのケーデンスのすごさ。これは見物です。流石ドイツという感じといいたいのですが、ちょっとパドリングが雑な早いケーデンス。ジャーマンチームの特徴のスタイルとパドルの関係がわかりましたか?
5番手はスロバキアのヤコブ選手。きれいなパドリングが印象的。現地も察したのかプランディス選手との比較を始める。がボトムセクションの橋の下の23番ゲートでタッチ、そしてぼーっとしてしまう。気がついて、タッチだが、通過していない為に漕ぎ上がって通過し直そうと必死に漕ぐが、ストリームが強くて上れない。あきらめ、そして怒ってパドルをたたきつけてしまった。そして24番をすてた。
もし私がICF委員だったら、2試合以上出さないペナルティーを考えたいプレイだった。
6番手はドイツのエイニャー選手ジャーマンスタイルをみせたが、後半ストリームコントロールにラダーを出した。ペナルティが多い決勝だけに完全なクリアへの冷静な思考がそうさせたのでしょう。この時点で2位。
7番手は足立選手。
足立選手はトップセクションでストリームに乗る作戦。ケーデンスは低いがペナルティを避けたい模様。なかなかのタイム。日本選手では取り戻しに行けないのですが、それでも食いついています。
ミドルセクションに入って9番10番のアップゲートのエリアは右9番からフェリーアップ(渦を巻いている)で10番に向かいます。9番で外ポールにボートバウがタッチのミス。その後バックウォッシュに捕まりかけるが、ロスオブタイムほどではない。
ライン取りは良いがスピードがない。
16番ダウンゲートでタッチのミスをしてしまいましたが、平静にボトムセクションをクリア通過しました。
本気を出してきた強豪の中での順位6位は素晴らしいと思います。
今回のランで東京が見えてきた気がします。
課題がはっきりみえています。
その修正のための時間は十分にあると思います。
決勝6位おめでとう。
その後の選手は省略します。
決勝順位 | 背番号 | 選手名 | 国 | ペナ | 総合点 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | Vit PRINDIS | CZE | 0 | 97.40 | 0.00 |
2 | 6 | Hannes AIGNER | GER | 0 | 97.64 | +0.24 |
3 | 1 | Jiri PRSKAVEC | CZE | 2 | 97.93 | +0.53 |
4 | 14 | Sebastian SCHUBERT | GER | 2 | 100.58 | +3.18 |
5 | 18 | Alexander GRIMM | GER | 4 | 102.47 | +5.07 |
6 | 37 | Kazuya ADACHI | JPN | 4 | 104.82 | +7.42 |
7 | 2 | Peter KAUZER | SLO | 4 | 105.25 | +7.85 |
8 | 12 | Lucien DELFOUR | AUS | 50 | 150.78 | +53.38 |
9 | 8 | Ondrej TUNKA | CZE | 108 | 212.04 | +114.64 |
10 | 4 | Jakub GRIGAR | SVK | 100 | 214.04 | +116.64 |
=追記=
日曜日 羽根田卓也選手の結果
Canoe Single (C1) Men Semifinalsカヌー一人乗り男子 準決勝結果
準決勝順位 | 背番号 | 選手名(敬称略) | 国 | ペナ | 総合点 | トップとの差 |
18位/30名 | 9 | Takuya HANEDA | JPN | 2(23番ゲート) | 111.64 | +7.26 |
羽根田選手は、決勝進出なりませんでした。
決勝進出には、2.63ポイント差(1秒1ポイント)で10位ぎりぎりなので、かなり差がついてしまったことになります。