２０１６年に発表された論文について
心理的競技能力が情動知能に及ぼす影響
―カヌー競技者を対象として―
藤本太陽 1）
，園部 豊 2）
，平山浩輔 3）
，高井秀明 3）
1）日本体育大学大学院，2）帝京平成大学，3）日本体育大学
出版年 2016-10-18
出版年 2016-07-18
別タイトル Influence of psychological competitive ability on the emotional intelligence of canoe players
出版社 日本体育大学総合スポーツ科学研究センター
CKNMがこの論文を参考にすることはありませんが、簡単に説明します。
このカヌー部に関してはおそらくスプリント競技だと思われますが、競技名が書いていないので推測。
心理的競技能力診断検査と、情動知能尺度（EQ)
※EQとは自分自身や他人の感情、欲求を正確に理解し、適切に対応する能力。
簡単に言うと、感情むき出しで行動するような人は社会的な摩擦も大きくなるので人間性が低いとされ、これをスポーツに応用すれば、肉体の限界動作の中で感情を冷静にコントロールできる選手といえるという考え方。
論文の強引な部分と感じる場所
カヌー競技は常に変化する風の強さや方向，水面の波の高さや流れなどの外的な環境に合わせて的確に判断し，ボートの制御やパドルの操作をしなければならない 23）ため，「状況洞察」はカヌー競技において重要な因子であることが考えられる．以上のことから，クローズドスキル競技であるカヌー競技では，心理的競技能力と情動知能には関係があり，心理的競技能力は情動知能に正の影響を与える表5. DIPCA.3総合得点の高群と低群におけるEQSの9因子と総合点の得点心理的競技能力が情動知能に及ぼす影響18ことが明らかとなった．
カヌーはクローズとスキル競技で、この理論が当てはまる。
タイトルにカヌーを盛り込んだのは検証データをカヌーからとったため。
※クローズドスキルとオープンスキル
・クローズドスキルとは、
プレイ環境の変化が乏しい為、外的要因にあまり影響させられない。
水泳、体操など
・オープンスキルとは、
プレイ環境饒辺かが大きく､予測しづらい為、プレイが環境によって絶えず変化させられる。
柔道、サッカーなど
環境とは、自然だけでなく、対戦相手など多くの要因。
この外的要因についてもやや矛盾しており、例えばゴルフなどは雨や強い風でも行うが、かなりの影響を受ける競技であるがクローズ扱いさせている。
つまり、線引きがあいまいな定義なのです。
だから論文の強引なオープンスキルのような風や～の箇所に動的要因を書き込んでいる。
つまり、激しい運動であろうが、静かな運動であろうが、環境の変化には選手は常に感じ取っており、それを経験から対処していることは全てのスポーツにおいて行われている事であります。
あえてカヌーを題材にして証明を行っている論文です。
カヌーに役立つかと言えばそうでも無い、常識的なものであろうと考えられる。
原文を読みたい方はこちらから
http://jairo.nii.ac.jp/0219/00002107
