RIOオリンピックで羽根田選手の銅メダル獲得から、日本にポンプ型の人工コースを作れば、他の選手ももっと順位が上がるのでは？と建設の後押しをしているようですが、実際はどうなのでしょう？
CKNM世界のカヌーコース現状レポート
・ポンプ型の歴史
２０００年代に入ってから、都市部での開催の為にポンプ汲み上げ型のスラロームコース建設が現代まで続いています。
実際の稼働率では、オリンピックの為にポンプ型を作った競技場のいくつかはすでに運転停止状態となっています。
多大な費用と人材に加えて、ウィルス停滞による死亡事故など多くのデメリットが発生してきたのです。しかし、それでも、ポンプ型は都市部のスラローム運営には欠かせないものです。それだけカヌー競技のファン数が日本と数万倍の違いがあるから運営もできるのです（ゴールデンタイムにライブ放送しているぐらい）
・電気代の省電力化のからくり
レースでポンプを動かすためには、水量が秒に13立方メートルを出力するために５つのポンプを稼働させる必要があります。これは一番最近できたイギリスのリーバレーのコースを指しています。RIOでは15㎥/秒が出せるポンプを設置しました、写真のポンプが８基横に並ぶ施設です。全部で2万6千立方メートルの水量（目安として学校の２５ｍプール約４０杯分）を循環させます。ポンプは5トンで、３５０ｋｗの軸プロペラ型サブマージブルスタイルのモーター。
ロンドンでは約３０％電力消費を抑えたと言っていますが、そのからくりは・・・３０％削減できた理由に川上と川下の高低差を低くして吸い上げる水量を減らしたからなのです。
RIOではさらに高低差を５０ｃｍ下げました（４．５ｍ）。更に経済的と言っているのです。
この設計は、日本と同じ設計会社が関係してくるだけにポンプ自体がどのようなものを採用するのかの問題ともなります。
また、エネルギーとして、葛西に風車や太陽光パネルや水位差など何かしらの発電を行うのか、原発再稼働で電力供給させるためにその地を譲らないのかは不明です。
ロンドンはコースをデュアル化したことでタービンの使用台数を可変させているために、競技が無いときに水量調節がし易くなっています。
・水道代と水質の問題
東京では淡水を使うと言っています。
コース部分だけで約３００ｍ×１０ｍ×水深１．５ｍ
この4倍の水は最低でも必要となります。
循環させてしまうと、前記した死亡事故まで起きるようなウィルスが発生する懸念があり、温暖化と共に、日本の気温では十分にウィルスが4年後までに到着し繁殖してしまう事は、間違いないと言われています。それだけに、水質のチェックを行い消毒をしても消えないウィルスに怯えるよりも、常に新しい水を取り込む必要があるのです。ウィルスの発生繁殖に特徴があるのです。
このウィルスにより、アメリカのスラロームコースでラフトボートレクレーションに乗った女性の死亡事故が２０１６年６月に起きたばかりなのです。傷口から入るわけではなく、鼻から入り脳みそが溶けたような症状となる恐ろしいものです。バッサンをしばらくの間閉鎖し、完全に水を抜いてチェックを行う事になりました。こういう事態の保証も運営には責任があるのです。
・野鳥と共存できない施設の訳
そして野鳥の森と言う事は、野鳥の糞などで水質が荒れたり、藻の発生が促進したりなど衛生的にも、フェアな競技への航行にも支障が出るために水流を常に新しくする必要があるのです。
渡り鳥が能を溶かすウィルスを運んでこの池に来ることへの対処方法は、ブラジルでもそうですが、野生生物や野鳥の排除を行っているのです。
野鳥の森と共存と区は言っていますが、知識の無さを表しているのか、知った事か！なのかは不明。
野鳥の森の葛西公園でもめたのに、野鳥や野生生物の阻止をこのスラローム場では行わなくてはならないのです。
・オリンピックトレインに乗った人だけの意見しか必要ない。
議員の視察と言う名目の旅行にこのようなレポートは一切存在しないでしょう。
視察できレポートをかける精通した人は、プロジェクトにもいないはず。
私に視察させたら、計画変更になりかねないので､行かせないでしょうけど（笑）
・スラロームコース概念
ヨーロッパのスラロームコースは人口コースでありながらも、ポンプ採用していないコースの運営も多い。
高低差はとても重要で、ありえないドロップが連発するコースはエキサイティングであり、自分とアスリートとの違いが見ている人にわかりやすい為、ショーも盛り上がります。
これが電力の為に減らされるのでは、RIOの様にのっぺりした、ただ水流が早いボイルの多いコースでしかなくなってしまい、一般の人にはとても分かりずらいものです。
東京のコースモデルの写真は見たが、とてもつまらなそうな予感がする。RIOのフローエリアの拡大しただけの単調なリズムのコース。
ロンドンはＵ字型にしたことで、緩急があり、超えている目をも楽しませることが出来ていた。東京の建設は、誰もこういう事に気が付かないだろうから、完全お任せの発注で出来上がったモデルはストレートのややくの字。
コースはカレントの流れ、ストッパーとウェーブのバリエーションをもとにコース流水設計をするのですが、それらがその国の風土に合った自然を生かした地形と融合することにより、より複雑な水流を生み出しています。
その攻略こそがホームアドバンテージとなるのですが、完全にブロックで設計された現在のコースは、チェコ工科大学の実験により、ロンドンからリオ、そして東京のモデルとつながったものなのです。
それをICFが監修している事も大きいので、それを利用するのもアリですが、それを日本地形に融合させたモデルとすべきだと思っています。前記のアドバンテージ。
・流水供給スタイル
スラロームの流水モデルは3つが主流で、ポンプ型、ダム放水型、川の分岐型となります。
この莫大な水量を地元の市長と相談し開放しているのです。
スラローム練習場だからといって、常に激流が流れているわけでもなく、トレーニングの為に、水門の開け方や放水量を減らしてメニューによった練習を行えたり、ジュニアなどにスタックさせた川でのゲート練習などを行わせているのです。
この、タイプは経済的であるばかりでなく、自然公園としての河川利用と、調整池の役割も果たしています。
海外では、コース自体が川の氾濫により度々水没していますが、設営方法により復活が簡単にできるため、河川氾濫が引いてもすぐに復旧することができるのです。
・安価な建設費が見積れる自然コース
そして河川工事は短期間で行う事が出来、日本が常に行っている河岸工事と河川公園と同じ程度の予算で建設可能なのです。（つまり実績から簡単に見積もれるが、見えない儲けを作れないために東京では抵抗されるだろう。）
だからこそ、山の白瀬域の競技である地方でも、国の補助金ありきでの建設が行え、地方再生への道も作られるのです。
・１点豪華よりも全国整備を先に
現在日本に人工コースと呼べるまでの改修を行ったコースはありません。
出来そうなところの川をそのままに、ワイヤー用の支柱だけを立てたものです。河川法による臨時建造物の最低限のものだけを認可しているからです。
河川コース修繕だけでも、かなりの効果があるのです。
河川のゲートがあるコース部分の河岸だけでも、コンクリートなどで、歩行しやすいようにするだけで、使いやすく、また見に来る人達にも危険度が少なくなり、メリットはあるのですが、河岸は行っても、河川内での整備工事は行われることはありません。(いわばだらけの場所では子供や年配者は歩けないし、女性でもいきずらい。ましてボートを持って移動などできない。
人工コースをつくるなら、そういう整備が全国で行われ、各地域でプレイしやすいようにするのが先決で、一点豪華主義の葛西にだけ世界タイプのスラロームコースができたところで、利用者は数える程度でしかない。未成年者は家族と過ごすと考えれば誰もがわかるし、少ない競技者のさらにごく一部なのです。
重要なのは、無料で開放し続けられなければ、全く意味を持たなくなってしまう施設なのです。
まとめ
簡単に、基本的な事を書きました。
同じ流水の管理が甘ければレジオネラ属菌による感染症の危険があり、それは死亡する事例があります。温浴施設以外にも一般の自然環境にも存在する物だからです。
この辺カヌーカヤック関連は、日本で私ぐらいしか聞かれてすぐに書けないでしょうが、批判しているわけではなく、未来へのレガシーを希望した移転の再考を願っているのですが、中央利権のブロックがある以上、意見募集に有償で呼ばれればいかなくもないが、都内建設反対派とみられる意見な者に、どんなジャンルの人でも、お呼びがかかることは無いでしょう。
小池知事がRIOから帰ってくるころに改善提案をしても良いのですが、担当者に捨てられる可能性も都庁入庁の映像を見てもよぎります。埼玉県知事には真摯に返信頂けましたが・・・。
私は世界のレースを楽しむことにします。それが世界のカヌーカヤック情報を発信するCKNMの原点ですから。
=追記=
カヌーカヤック情報が日本にないために、大手建設設計会社などが閲覧しています。
オリンピックなど受注関連企業が会社アドレスで見るなら、このＷＥＢサイトに寄付をしていただきたい。
ＩＰ閲覧停止にする可能性があります。
＝追記＝※RIOからの帰還後、都知事に関連情報を送信させていただきました。
