問題は膨れ上がり、今ではグアナバラ湾は下水道以下の扱いになり、そのようなコースで選手に競技をさせるのか?と世界中で関心が高まっています。
ブラジルのあのキリスト像からも見渡せる会場。
オーストリアの元オリンピック選手は、この水が顔にかかった時100%嫌な思いをすることになるし、ここはセーリングをするような場所ではない。それは絶対病気にかかること請け合いないということ。と語る。
しかしここでRIOオリンピック前のテストイベントが行われることになっており34か国216艇のヨットのオリンピッククラスのレースが行われるのです。
リオは2016年までに80%の湾のクリーニングを行い70の未処理の垂れ流しの水を処理する約束でオリンピックの競技開催地としています。
しかしリオの環境責任者は50%のクリーニングでもベストな状態になると言っています。
現実に湾にはソファーやビニール袋、など言葉にも表せないような漂流物の流れをせき止めるために、ごみになったボートをならべて壁にしようとしています。
リオの観光局は3月までに33トンの固形廃棄物を収集したといっています。
悪臭は、未処理の排泄物、動物の死がいなども流され、問題解決の道は、ほぼ見えていません。
干潮での下水の悪臭が漂う海で泳ごうと思う人はいないだろうとオーストリアの選手は言います。
国際セーリング連盟と地元の主催者は水のテストを奨励していますが、リオの環境当局は水泳に適していると説明しているのです。
ブラジルの国自体の環境局が毎月糞便の大腸菌群を監視すると言っていますが、6月からは隔週ごとに行われています。
ここのコースよりも西海岸沿いにはきれいなレースコースがあるのです。
コラム
もはや、オリンピックの予算をインフラ改善に使って、競技をおろそかにするよりも、別なプロジェクトとして、その地区の環境改善を行うべき問題で、予算が必要なら、そこに割り振られるべきです。競技はすでにあるコースを使い、スタンド自体も仮設で十分なのです。
競技は200mだけでなく1000mもあり、レースの楽しみはゴール前だけではないのです。
ゴールだけ見て楽しむのは初心者で、レースファンなら、もっと手前からの情報を見たがるはずなので、ゴールスタンドの大きなものを作るよりも、全体が見渡せるものを考えれば、低予算でも楽しめる会場になるはずです。
CNNのビデオを見ましたが(この内容とは別)、とても真剣にクリーンアップに臨んでいるとは言い難い、怠慢な作業状況に日本人なら見えてしまうでしょう。
これが、発展が遅い国の風習なのです。
現地のレガッタクラブの少年が、数千数万匹の魚の死がいの中を漕いでいましたが、慣れた地元の住民でさえ、病気の不安はあると言っています。
ブラジル49ersのイベント練習でヨットがこけましたが、普通破けることのない特殊素材のヨットの帆は、漂流ゴミによってやぶけてしまいました。人間は浸かったら練習どころではなく早急にもどりシャワーなどで流すそうです。
多分、来年の3月ごろから急ぎだし、オリンピック前だけゴミが一時的に浮かばなくなる事になるでしょう。しかし大腸菌などはそのまま、大量の薬品がこの湾に、この期間にまかれ、さらなる環境汚染と、オリンピック後のインフラ整備もないまま、スラム街として続くと思われます。
地元の住民が、それに気が付いて、早期に地域で改善をする姿勢で対応しなければ、スラムからの脱却はできないでしょう・・・。