流れのある場所でオープンカヌー(カナディアンカヌー)の漕ぎ方について、どのようにすればよいのでしょうか?
初心者はやらない方が良いのでしょうか?
最初の話。
==追記==
2016年5月にインプローブブックを発刊しました。ダウンリバーについて、流れの中で漕ぐ技を紹介しています。カヤック記事ばかりですが、流れの中で漕ぐ理論は同じです。ご参考にどうぞ==ここまで==
本来オープンカヌーは、波のない場所、流れの遅い場所で利用するためのもので、それにともなって荷物や人間を安全に運ぶために昔のインディアンなどが、カヌーの形を作ってきました。普通ならば小舟を作るものですが、それとは違う木で枠を作り、カバの皮をはりタールなどで固めてカヌー形状にしたのです。
初心者の人は川へ行かない。
中上流への河川でのカヌーは白瀬を乗り越えるための装備がありません。
間違った雑誌や書籍などでは、カヌーを流れの中で漕いでいることを広める人がいますが、安全は乏しく、リスクが大きい物を、安易に公けに発表する無責任さに驚かされてしまいます。ワイルドウォーターという中上流域でのボートにはそれなりの準備が必要になります。プレイできるスキルなのかはご自身で判断してください。
スキルの判断の仕方
川の流れの早さを見てみてください。秒速何メートル水が動いているでしょう?
カヌーの操船は難しく、パワーも必要です。自分が秒速何メートルまっすぐ移動できるのかと照らし合わせてみてください。
エディへ逃げるのも、脱出するのも、流れの中でハンドリングするのも、その指標があなたの命を握っています。
安全対策に
■1つは、浮力体の設置。
カヌーであって、カヌーは浮力する部分がありません。現在のグラスファイバー製のボートでも中に空気エリアをつけているものはほぼ皆無です。
つまり、ボート自体は洗面器と一緒。お風呂で浮かべて斜めにすると水が入ってきます。そのままにすると、沈んでしまいます。
かちかち山の狸の船と同じように川で流されおぼれてしまう事は容易に想像ができます。
浮力体は、空気を入れた袋で、自分で膨らまして設置することも可能です。
カヌーのボートの前後に外れないように取り付けます。
まともな、カヌイストであれば100%浮力体の設置を進めるはずです。
ワイルドウォーターの競技では設置が義務付けられています。それほど大事なものです。
■デッキのオープンの危険
流れのある川や波のある場所でカヌーを漕いだことがある人ならわかるでしょう。
ボートの縁にあたった水が跳ねて、ボート内にたまっていくのです。
競技艇のカヌーがなぜクローズデッキになっているのか、わかると思います。
またしてもお風呂の洗面器の様に跳ねた水が入りだんだんボートは水面下に沈んでゆくのです。流れがあれば、沈んだボートが岩にあたったりすればまだよいですが、挟まったりすれば抜け出せなくなります。
水をかいて出すのが追い付かないのがホワイトウォーターなのです。
カヌーのデッキに水が入らないようなスカートを全面に貼ることで一時しのぎにはなります。
上図:リバーマラソンなどの対応例。ラン用カヌー
・白瀬がある場合
■サーイベルトの設置
実はオープンカヌーでもホワイトウォーターに乗る人はいます。
しかし、基本的なセッティングとしてサーイベルトをカヌーに設置し、それにともなうガードを取り付ける必要があるのです。
これをつけないでホワイトウォーターに乗るなんて、無知もいいところ。
またこれは着脱のリスクが高いので、初心者は絶対に取り付けない様にして下さい。
このベルトの意味が分からない方は着けない事です。
■カヌーのパドルだけの操作は相当なパワーがいる。
白瀬で流れの強い場所に引き込まれた場合に、初心者や、スキルのある人でも、抜け出せなくなります。そのまま危険なスピードで、川のカーブの岩場に直撃や、周りの岩の反射波で転覆し、アンダーカットから出てこない可能性も含んでいます。
カヌーを川で漕ぐには、リスクと川の知識は最低限知っておかなければならないのです。
ハンドブックをご覧ください。
川のカヌーテクニックを紹介する為には、川の知識と一緒に、スキルは、順序だててアップさせていくものです。
スキルアップについてはエーネストブックをご覧ください。