2020年10月16日から18日までスロベニアでカヌースラロームワールドカップが行われました。
羽根田選手のレース展開と、全体の順位表を以下に記してあります。
羽根田選手レース
予選1
予選1では15名が参加。フランスの選手がDNSとなり、参加者14名全員が予選1を通過。
順位 背番号 選手名 国 ペナ タイムと差
1位 1 L. BOZIC SLO 0 80.34
2位 2 B. SAVSEK SLO 2 +0.30
3位 4 N. GESTIN FRA 0 +0.63
4位 9 羽根田卓也 日本 0 +4.72
予選2は行わず、準決勝レース。
カヌーの準決勝ではかなりのコースの難易度に羽根田選手前のレースは転覆あり、不通過ありと、普段見慣れない選手達のミスが多発しています。選手数が少ない中でのチャンスを掴もうと、いつもはしないレースへの攻撃的な展開で失敗しているのです。
そんな中、中盤で羽根田卓也選手の登場です。
スムースにゲーツをパスしつづけていましたが、#10アップストリムゲートバウがタッチ。#13のダウンストリームゲートでは回りの岩の状況で360ターンしたルートを通らないとパスが超絶難しいルートと化した設定で、誰もが時間を取られてしまっていますが、羽根田選手も同じようになっていました。トップ選手はここを上から通るため、そこでは数秒遠いことが確実となっており、決勝への道が遠のくルートの選択をしていました。その地点で体力が切れかけボート速度が顕著に遅くなっていきます。必至にパドルをストリームに引っかけて乗っていますが、最終的に本人も納得いかない表情でフィニッシュ。
おそらくですが、14名で予選が4位だったが為に、遅いルートでも確実にこなせば決勝へ進めるとの羽根田選手特有のリスク排除作戦だったと思われます。しかし、世界の選手のアグレッシブさは準決勝では早さは別物に変わり、予選は単に体力温存とコース確認でしか無かったようです。
準決勝では羽根田選手は11位となり、残念ながら決勝へ進む10名の中に入ることが出来ませんでした。
羽根田選手が良くない原因がなんなのかを見たいと思い見てみましたが、部分的な問題では無いようです。
準決勝レースの注目選手としてフランスのGestin選手のランはとてもスムーズで、イージーに見えると解説でも褒めていました。
たしかに、パドリングの一連の動作が流れに沿って動いており無駄がそぎ落とされていると感じます。見ていて違いが瞬間的に良いぞとわかるレベルです。
決勝への上位進出者のレベルとしても、あまり見ない顔ぶれでも高く、世界のレベルの底上げがわかるような気がしました。
準決勝結果
11位 9 羽根田卓也 日本 2 +11.87
カヌー一人乗り男子には羽根田卓也選手が登場。予選を抜け準決勝に進みましたが、決勝には進めませんでした。又次回に期待したいですね。
決勝のレース結果
Women’s K1 Finals
カヤック一人乗り女子では金銀とプリジェン選手が表彰台に乗っており、21才のロマーネ選手が優勝です。彼女らはオリンピックの代表選手選考会で落選していたので、2024年のパリオリンピックをターゲットに切り替えて頑張ってきたのですが、思わぬ結果が!なんと、ここで成果を上げてしまいました。今年の年末にあるオリンピックの選考会に出場することを目標にトレーニングを積んでいたとのことです。代表落ちする選手が、優勝するという層の厚さには驚かされますね。
やはり、国の代表選手枠をファイナル出場選手を除外した数を加えて割り当てた方がより面白いように再び感じています。
順位 背番号 選手名 国 ペナ タイムと差
金 14 R. PRIGENT FRA 0 83.98
銀 3 C. PRIGENT FRA 2 +1.88
銅 7 E. LEIBFARTH USA 2 +2.01
4位 2 E. TERCELJ SLO 4 +2.47
5位 8 A. NOVAK SLO 0 +3.96
6位 11 M. DELASSUS FRA 2 +4.36
7位 9 矢澤亜季 日本 0 +5.12
8位 12 A. OSCHMAUTZ AUT 4 +15.80
9位 4 A. SATILA BRA 50 +49.18
10位 6 V. US UKR 54 +54.06
Men’s K1 Finals
カヤック一人乗り男子は、スエーデンに初めてワールドカップの金メダル獲得者が誕生しました。
イーサク オーストロム選手は29才、決勝に残ったのは4年前の事でしたが、なんとオリンピック銀メダリストのピーターカウザー選手を押さえての優勝です。
このスエーデン国は東京オリンピックのレースシートを獲得しており、もしかしたら、オーストロム選手が代表選手としてくるかも知れません。
銅メダルのペドロゴンカルベス選手は、初めて決勝に進んだこの大会で銅メダルを獲得したのです。ゲートタッチの2ペナが悔やまれるところでしょう。
順位 背番号 選手名 国 ペナ タイムと差
金 6 I. OHRSTROM SWE 0 73.39
銀 1 P. KAUZER SLO 0 +0.50
銅 8 P. GONCALVES BRA 2 +0.93
4位 11 M. QUEMENEUR FRA 0 +1.38
5位 10 V. KUDER MARUSIC SLO 2 +1.86
6位 19 J. KREJCI CZE 0 +2.57
7位 4 L. WERRO SUI 0 +4.18
8位 17 S. HENE FRA 2 +4.24
9位 3 M. SMOLEN USA 2 +6.03
10位 24 J. JOSEPH USA 4 +6.97
Men’s C1 Finals
順位 背番号 選手名 国 ペナ タイムと差
金 1 L. BOZIC SLO 0 78.17
銀 4 N. GESTIN FRA 0 +1.64
銅 8 J. BERNARDET FRA 0 +2.07
4 位 7 M. MARINIC CRO 0 +5.41
5位 6 V. HEGER CZE 2 +7.45
6位 2 B. SAVSEK SLO 6 +7.87
7位 15 A. KLEVLEEV RUS 4 +11.24
8位 11 A. BOBON FRA 2 +14.19
9位 5 J. LENARCIC SLO 4 +27.30
10位 3 L. ROHAN CZE 58 +67.88
Women’s C1 Finals
先に行われたカヤック部門の決勝でブラジルのANA選手は最後のゲートを不通過してしまうと言うミスで、ものすごく落ち込んでいたそうです。しかし、カヌーの決勝のレース結果をご覧下さい。ANA選手が優勝しています。
彼女はいつまでも後悔している選手ではないことを見せました。
「昨日のレースは私にとってとても大変なもので、一番の重いレースだったと言えると思います。」
「その結果を飲み込めるにはものすごく苦悩したのですが、今日のために集中力を保つ為に心を休ませることだけを考えました。今、この金メダルを持ち帰れることはレースの構え方のスキルを上げた以上にとても重要なものとなったのです。」
「ファイナルはとても難しいもので、コンセントレーションの持続することで、全てを完璧にこなそうと望みました。結果そうはならなかったのですが、それでも金メダルであり、次のメダル獲得のためにもそれを糧にさらなる良いレースが出来るように頑張ろうと思っています。」
とANA選手はレース後インタビューで語ってくれました。
順位 背番号 選手名 国 ペナ タイムと差
金 1 A. SATILA BRA 2 93.64
銀 4 L. PRIOUX FRA 2 +1.73
銅 3 E. LEIBFARTH USA 0 +3.12
4位 6 M. DELASSUS FRA 4 +5.31
5位 7 A. KOZOROG SLO 6 +6.87
6位 9 G. SATKOVA CZE 2 +8.42
7位 12 L. NOVAK SLO 2 +9.50
8位 11 M. HENRY FRA 4 +10.52
9位 10 V. DOBROTVORSKA UKR 4 +19.66
10位 15 M. CORCORAN USA 8 +23.18
その他
このマガジンを始めた頃は動画どころか、結果情報さえ探すのが大変だったのですが、今ではICF自体も情報についてのガイドがホームページでもある程度わかるようになって、動画も誰でお簡単に見れるようになりました。
英語が読めなくてもわかりますし、特殊な言語を調べて探さなくてもある程度の情報持てに入ります。
あまり、結果情報を書いていませんが、今回は載せてみました。
16 – 18 October 2020
2020 ICF CANOE SLALOM WORLD CUP
LJUBLJANA-TACEN, Slovenia
https://www.facebook.com/ohrstromisak/
https://www.instagram.com/p/CGk4akilWxL/