FISEという若者を引きつける現代スポーツイベントが日本でも開催されました。昨年度と同じ広島県で行われたこのイベントは、なんと１０万人の来場者を想定しているビッグイベントですが、まだ国内で知っている人が少ない。
年配の人には言葉さえよぎらないこの最新イベントに、オリンピックがその利権にあやかろうと近づいていました。
FISEとは
フランスで生まれたこのイベント。FISEの略もフランス語の言葉から出来ています。
昨年度は広島県の広島球場跡で開催され延べ８４０００人もの来場者がありました。
この来場者は事前に登録すれば、イベントを無料で観戦することが出来ます。そしてより良い席で見たければプレミアムチケットを有料で購入し最高のポジションで世界最高の技を体感できるのですが、有料であっても関係なくそれを待ち望んでみている人が大勢いるのです。
そのイベントは、何のスポーツをやっているのでしょうか？
今まで、オリンピックや日本の国体などではあり得ないもの。競技としても認めていないという人が年配の人には多く存在します。
しかし、若者はこだわりよりもそのエキサイティングなものに引きつけられてしまうのです。
その競技とは、今だれもが経験したことがあるかもしれないものでした。
７つの競技
BMX、スケートボード、パルクール、ボルダリング、ブレイクダンス、に加えてエキシビジョンとしてEスポーツ（一般的にTVゲーム系やIT技術を使った体感ゲームなど）、けん玉（スポーツけん玉として多彩な技がありますね）、バトントワリング（女子が行うバトンをグルグル回したりするもの）が行われているのです。
BMXとは小型の自転車でフリースタイル競技を行うものです。
パルクールとは、これは非常識と言えば非常識だが、都市を舞台とした映画のスタントのような動作を町中で行うもので、壁や柱や谷間となっている場所などを、いかにかっこうよく跳んだり跳ねたりしながらできる限り速いスピードで通過していくもの。
これらは、何か聞いたことがありませんか？
そうです、東京オリンピックに採用された種目なのです。
アーバンスポーツにあやかって、オリンピック人気を取り戻したいIOC。
超大な国を飲み込む経費がかかるオリンピック。しかし近年陰りが見え始めホスト国辞退もニュースで聞かれるようになりました。
経費を節減すれば、オリンピックは取り戻せると、IOCはライトウェイトなイベントを目指そうとしたのですが、大きな利権構造は変えることは出来ず、また、誘致に不正な行為が行われた疑惑が取りざたされ、先進国以外は興味の無いオリンピックが、先進国でもお荷物と化してしまっていることを、IOCはようやく気がついたようです。
そして、X-スポーツのようにエキサイティングなものを取り入れようとしたのですが、利権が大きすぎて融合できませんでしたが、このFISEはイベント自体が米国興業ものと違い手が出せる状態であり、元々若者達が遊びでやっていたものを、凄いやつを集めてみんなで見るスタイルが興奮の坩堝に誘っているだけに、若者へのその定着度は計り知れないものでした。
それを、今回の東京オリンピックに融合させたのです。
それらの後援にはビッグなスポンサーが名乗りを上げましたし、それぞれの連盟がバックアップを行っています。
FISEとはFestival International du Sport Extremeつまり国際エクストリーム祭りなのです。
お祭りだから、誰もがただで盛り上がっても，当然なのです。
カヌーカヤックは都市型にシフトできるのか
そもそも、人も来ないような場所でやる「ど田舎のスポーツ」を都市型にできるのでしょうか？
カヌーカヤックのエクストリームと考えられるとすれば、フリースタイルやEXTスラロームでしょう。
しかし、その都市型スポーツに入るのには多くの障壁があります。
まず、川（水）の存在が運営のネックとなるのですが、これは世界のコース設計情報を知っていれば対応できるレベルにある問題であります。
また、見ていてすごさが分かりづらいこと。これを解決する手段を見つけなければなりませんが、それは、人が死ぬレベルの挑戦を目の当たりに出来るもので無ければ通用しないのです。
もう一つ言えば、都市型スポーツに違和感を持つ人達の存在を重要視することになれば、このカヌーカヤックの未来への拡張を捨てることを決意したも同然であります。
しかし、本家FISEにはRIVERAIN（湖畔や川岸、沿岸）で行うイベントが存在するのです。つまり、イベント場所の設定は競技場と限られていないことが、このアーバンスポーツの特徴であると言っても良いでしょう。
自由な発想と方向性が若者の縛られない自由なエモーションを支えているイベントと言えるのかも知れません。
だからこそ、企画を優先させるのでは無く、みんなが楽しく盛り上がることをイベントへ繋げるというシステムの構築方法が求められるわけで、昔から与えられた規制の枠の中で行っているスポーツの継続とは根本から違うというものだけに、フレッシュな転換を思いつく柔軟な若者の思考が求められるのです。
ベンチャーの記事を前回書きましたが、今回のアーバンスポーツも一つのモデルなのです。
これを、今のカヌー連盟が対応できると思いますか？
１００００００００００％出来ないでしょう。
若い人の力って、次の世代の力の根源なのです。
学校の先生が、生徒を育てたレベルとは、もはやディメンジョンが違うことなのです。
情報は書いた。それをどうするのかは若い人が考えて頑張ってね。
（プレミアムチケット：５５００円 ２０１９年度）
