アメリカオレゴン州の夫婦がカヤックを購入し川で沈没して人体に多大な損傷を受けたとして、裁判をおこしました。
素人夫婦との錯誤
この夫婦はカヌーについて全くの素人だったのですが、小さな田舎のカヌー販売店から２．５ｍ程度のカヤックを購入しました。
カヌーやカヤックは、外部から水が入ってくることは当たり前にあります。
（写真は現場ではありません）
訴えた人の、2年前のノースサンディアムリバー川での出来事。
沈没して大変な目にあったと言う場所の現地検証では、クラス２の流れにはどこにも無かった。ホワイトウォーターゾーンもない。ほぼ静水に近い川であった。
購入したカヤックには発泡スチロール系フロートか隔壁またはフィットが設置されていました。
購入者は、販売者が梱包用と言ったとして、その内部の発泡系素材をナイフやドライバーなどを使って取り除きました。
彼らはそれを取り除いたことで、沈没した時に内部に水が入ってきて、沈没を防ぐことができず、近くの岸まで泳がなければならなくなった。
そのせいで、体のあちこちに負傷が出て医者へ行く必要があった。
椎間板突起、腰部のひずみ、および傷ついた脛を有するヘルニア状の椎間板首、背中、右肩、右膝を痛め、常に頭痛がし、肩の動きが不自由になった、腱の破れ、肩の痛み、脊椎の疲労の骨折などを引き起こした。
彼らの一人は、日常生活が普通にできなくなった苦しみ、感情的苦痛および混乱のために、実際の医療費で4,573ドル、医療費で6万ドル、さらに25万ドルを要求。
もう一人も同様の精神的苦痛や、医療費として1万5千ドル、そして125,000ドルを求めている。
そして、カヤックの全額返金を望んでいる。
訴状の中では、カヌーやカヤックを全くしたことが無い為、用具など用語も違っていた。
販売ボートのスペック
Length: 10’
Cockpit size: 19.5″ x 48″
Boat weight: 49 lbs.
Maximum capacity: 325 lbs.（耐荷重：約１４８ｋｇ）
ボートの間口が広くフィッシングも可能なタイプ、この川では鱒釣りも行われており、このショップでは一般的なボートと言えるだろう。
簡単解説まとめ
もし、この裁判で彼らの言い分が認められた場合、アメリカオレゴン州では誰もカヤックを売らなくなるだろうし、アメリカ全体でも販売できなくなるだろう。
販売をするとなると、自動車免許のように、船舶ボート免許を所持しての自己責任ルールを法文化するしかないかもしれません。
アメリカ訴訟大国とはいえ、言った者勝ちになった裁判はいくつも耳にしますので、これが認められるケースがあるかも知れないというのが怖いところです。
訴訟の行方はどうなるのでしょうか？
・・・逆視点・・・
カヤックはこういうものって、カヤッカーは無意識に思ってしまう。
素人は一般社会のルールで考える。
危険な物のへの認識が両者が違う。
日本なら説明責任に危険へのリスクなど強めに言っておかないとこうなるケースも考えられる。売りたいが為に良いことばかり言うと、安全と勘違いしてしまう人が出ても不思議では無い。
アウトドアの人間は、人付き合いが下手（営業ベタともいえるかも）な為、知識がある方が有利な進め方をしてしまう傾向にもあり、また礼儀なども個人判断で決定する場合が多く田舎ルールのようなものも存在するためぞんざいに扱われるケースもある。
「入ってくるなら勉強してから来い」
昔の考え方で、現代では通用しないだろう。今は普及からビジネスにするためにどれだけ大きな企業が方法を考えて迎えようとしているのかが、小さなエリアの人ではわかっていない。
どちらが良いのか悪いのかの判断は、裁判でわかるが、その経過内容が私たちがチェックしておかなければならない重要な事項であることを知っておく必要があります。
