2016年4月16日~24日まで2週にわたって4レースを行い、RIO代表選手の一次選考を通過してから、EU選手権で最終結果が決まりますが、カヤック男子一人乗りは最強メンバーがそろっているだけに、恐ろしいほどの熱戦となりました。
同じ選手が勝たない。誰もがエースのチェコK1M。
23日 レース3
まずは、3戦終了時のポイントの整理をしてみましょう。
3戦終了時の ポイント |
選手名 | レース1 | レース2 | レース3 |
28 | PŘINDIŠ Vít | 11 | 9 | 8 |
24 | TUNKA Ondřej | 9 | 6 | 9 |
22 | PRSKAVEC Jiří | 7 | 11 | 4 |
20 | HILGERT Luboš | 8 | 7 | 5 |
19 | MASLAŇÁK Tomáš | 5 | 8 | 6 |
18 | HRADÍLEK Vavřinec | 6 | 1 | 11 |
何と言う事でしょう、2012年ロンドンオリンピック銀メダリストのHRADÍLEK Vavřinec選手がポイント6番手となっています。世界選手権で2010年銀、2013年金メダルの選手がこの位置とは、なんという層の厚さなのでしょう。この位置からようやく第3戦で優勝を取り返したのですが、この後レースは1つだけ、盛り返せるのか?全く分かりません。
これは、第4戦絶対見逃せません。(動画は残っていますので、これを意識して見ると面白さ倍増かも。動画 チェコ-リオセレクション2016レース4/)
24日レース4(国内での選抜戦は最終)
レース動画:55分前ぐらいから
HiLGERT LUBOS選手パドリングのケーデンスは前走の選手達よりもはるかに高い、11番のアップゲート通過後にミスってしまう、カレントの尾根を乗り越えないと12番のダウンゲートには入れないのですが、ここでパドリングミスをしてしまった。ゲート右通過で頭を入れようとして見たが、誰がみても不通過だろうという姿勢。タッチもあり+52が足され4戦での逆転は絶望。
次のTUNKA ONDREJ選手はさすがに、11番から高い位置へ登ってからカレントに乗ったため、速く確実に12番を通過した。ゲート位置がかなりタイトで厳しそうだ。#21アップゲートへのアプローチでボートバウをポールに当ててしまった。
次は個人的に押してるPrekavec JIRI選手。すごい、コース幅のギリギリまで広げたゲートを右へ左へを確実にスーパースピードでトラベルゼしていく。この時点でトップに立つ。
次は、今回、尻に火がついている厳しい状況になってしまったHradeilek Vavrinec選手。素晴らしいローテションの美しさ。見てすぐにきれいだとわかるだけに、見ていて盛り上がってきた。いやー本当にギリギリばかり。タッチしているんじゃないかと思わせる通過と、不通過ギリギリのライン。見ていて怖くなる。タッチを一つとられたが、それでもJIRI選手よりも1.04ポイントも上。ありえないラン。感動してしまう。本人も手ごたえがあったようで、フィニッシュ後ガッツポーズ。
次はPrindis Vit選手。この人のローテーションも美しい。11番他の選手がパントしている中していない。12番は上から乗らずに、簡単に尾根ラインまで入ってのギリギリのライン取りで通過。これは、良く見ると、尾根を越えておらずに尾根の背を利用してサーフ風な位置取りで、波の無い部分を使ってのラダーでラインを作り出している。すごいテクニック。残念ながら1タッチしてしまったが0.04ポイントの差のスーパーランだった。
最後の3選手はとくに、「クリエイティブなラン」とは・・・勉強になるわ~~~~~~~っ
最終第4戦終了時のポイント
4戦終了時の ポイント |
選手名 | レース1 | レース2 | レース3 | レース4 |
29 | PŘINDIŠ Vít | 11 | 9 | 8 | 9 |
28 | HRADÍLEK Vavřinec | 6 | 1 | 11 | 11 |
26 | PRSKAVEC Jiří | 7 | 11 | 4 | 8 |
24 | TUNKA Ondřej | 9 | 6 | 9 | 4 |
22 | HILGERT Luboš | 8 | 7 | 5 | 7 |
19 | MASLAŇÁK Tomáš | 5 | 8 | 6 | 0 |
プランディスビット選手「今日のレースには鳥肌が立ったよ。勝利の女神はもう消えることは無いね。このドラマの雰囲気と、素晴らしい結果はとても信じられないよ。3人がRIOの切符をつかんだんだ イエーィ」
バブリネッ ラディレック選手Vavrinec Hradilek「オリンピックに出れないかもしれないと本気で考えてしまったこと。しかし、素晴らしい美しいランができたことに満足していましたが、そして結果優勝となった事で、RIOへの切符をつかむことができたのです。今まで経験したことが無い状況でした。今RIOのプレッシャーが相当大きいことが分かりました。彼らと戦えたことはとてもうれしい。新しい生活環境に変えた苦悩も、すべて振り払う事が出来ました。」
PRSKAVEC Jiří選手「今日は最高のレースだった。そして、休日の日の最高の贈り物。3位でもいいのです。誰が行くことになるかわかりませんが、もっとよくなっていくはずです。ヨーロッパ選手権が待ち遠しいよ」
http://www.vitprindis.com