滋賀県長浜市にある余呉湖（よごこ）。この湖は鏡湖とも呼ばれ、自然の景観が湖に映り美しく、また天の羽衣をかけた場所として有名な場所。
そこに、カヌースプリントの練習場＋競技可能なコースを作ろうという問題。
余呉湖
この湖にできるコースは短く公式の国際レースの基準には達することは出来ない。
しかし、幅９ｍ長さ１０００ｍのレーンは取れるために、そこを利用したいという。
姉妹都市であるドイツのAugsburgはカヌー競技でも有名な場所。
それを利用してドイツチームの合宿所にしたい考えなのです。
カヌー連盟の視察が２０１５年５月に行われ、オリンピック参加国の合宿候補地の調査で、良さげな意見を言ったらしい。
・高速道路などからのアクセスが良い
・訪れた日の天候では、風が無く、波もほぼない
・水藻があまり見られなかった。
これを、聞きつけた地元の観光の強化の為にドイツの合宿所に立候補の案を模索。
この誘致のためのレーン整備提案は地元の観光協会が誘致要望書を提出した。
反対意見
この湖の町の川並自治会は二日間の会議を行い、周辺環境の保全に疑問が残るとして、自然景観の保護を訴え、全員カヌースプリントレーン建設に反対の意見でまとまった。
・レーンのブイが情緒ある景観を損ねる。
・魚介など自然生物への悪影響を懸念
・観光客のマナーやゴミ問題で、町と地元コミニティへの影響
・地元にメリットが無い
藤井市長コメント「余呉湖が競技場に最適というのは今まで気付かなかったこと。環境破壊や景観を失うことなく、余呉の活性化に結び付けたい。」
■シミュレーション
余呉湖は長い面で最大２０００ｍですが、実際この距離を取ることは出来ません。
漁業組合や、貸出ボートの桟橋、水質等の試験エリアなどがあり、また水藻が少ないと言っているが、グーグルマップではかなりの水藻が繁殖していた。
このために、艇庫や合宿用の住居建設を行うとなると、未開発地の大岩山ふもと。
（用途地域は調べていません）
または、余呉湖野外活動センター周辺は、開発されており、この手の新しい建築は行い易い。(図下側のコース）
観光協会では、この練習を見るための施設を作るのか？
はっきり言って競技を全く知らないのだろう。
１ｋｍの距離を人間平地でどこまで見ることができるのか？
６ｍのボートが戸田漕艇場の様にコースギリギリまで近づけるように改修することは不可能なので、見える位置の展望台を建設するとなると、図下側の出っ張った部分にそれを設け、スタートとフィニッシュが５０ｍ先ぐらいで行われている事を見れるようにする等考えられる。
現地へ行っての地場調査しなければ、はっきり言えないが、衛星写真はかなり細かいエリアまで見れるので、周辺を見てみたが、このあたりになるのではないかと予想される。
地元の理解などの問題
ここに、スプリントの練習場を作る、作らないは地元が受け入れるのが最大の課題で、無理な誘致は、カヌーを敵にしてしまいかねない。地元の施設を使わせてもらえないなど、景観を売りにしていた場所だけに、カヌーがいつものように行われているのならともかく、一時的で、オリンピック後に国内の練習生も訪れず、また観光客も来なくなるという、欲しがったがために、全てを失う事も大いにあり得ると考えられる。
このレーンが引かれれば、一般はレーン近辺に立ち入れなくなる。すると漁業組合の運営にも支障をきたすことは間違いなく、また、人が増えた場合に監視が行き届かずに、おかしな人間が外来魚などを放流するかもしれない。何が起こるかわからないだけに地元の人達の不安な気持ちもわかる。
この決断は相当難しい。
金銭的なシュミレーションと観光メリットからの経済効果を行政でなく、民間のかなりシビアなデータを作ってくれる会社に調査依頼をしてから、案件の説明会を行い、賛否を問うたほうが絶対に良いとおもった。
修繕やチェックなど管理を置かねばならないので、年間維持費は１５００万ぐらいは見こす。管理会社を使うなら、もっとだろう。一般レーン利用者から利用料を取れば、クラブは費用次第では使わないだろう、周辺にお金を落とすイベントといえば、どうなのでしょうか?
維持費などの予算以上の行政への収益があるのかどうか疑問ですが・・・。
盛り上がって、増収になれば良いですね。
