2014 最新スプリントスタイルの解析

新しい情報として2014年のスプリントレースでの操法とレース戦略の解析を書いてみます。


まずはワールドカップ第3戦セゲドでの決勝レース200m男子スプリントのゴールドメダルのハンガリーM.Dudas選手とシルバーメダルのカナダM.De Jonge選手のレースはほぼ差がありませんでした。
金と銀の差は戦略によるものであることは、レースを見ていてはっきりわかりました。
それについての解説と、操法についての分析を図を含めて解説します。
今回は1つの図を作るのにすべてのシーケンスからおこしたので2日ぐらいかかりました。(おそろしや~~~w)
================メンバーオンリー(ロングイン下さい)===
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トップハンド位置
戦略的には負けてしまいましたが、ストレートランではトップスピードを出していたWC3シルバーメダルのDe Jonge選手のモーション解析です。
◆注目点!
図は同じシーケンスで分割していますが、この選手の特徴は均等のパドリングローテーションをしていないのです。
・イニシャルポジションからアタックのスピードが異常に早い。
・アタックからパッセの最初のシーケンスで移動距離が短いのはそれだけ大きな水量を掴んでいる。
・シーケンスがパッセで3コマですが移動距離が増えています。デガジェ位置までパッセの早さがすごい。
・エアロのポジションでイニシャルポジションに戻るまでが詰まっています。これは今までイニシャルポジションに向かうエアロのシーケンスを短くするのが常識とされていましたが、これを分析すると、このイニシャルからアタックに入る相当早いモーションの為にエネルギーを溜めアタックからパッセの引きのパワーを強くしようとしているようです。
・パッセ時のボートの左右の沈み差も少なく5cm程度。
・アタックからのイニシャルの為のボディローテーションの捻転の大きさも現代風。
・エアロ側のトップハンドからイニシャル位置までの握りの高さが頭部ギリ上からアゴ下まで。
・もちろんアタック時に手は伸びきらない。(つまり僅かなストローク距離よりもパワーの出るポスチャーを優先している。)
・膝の位置は捻転と関係している。パッセ側の足の踏込タイミングはファーストシーケンスで行う。


=戦略 ストラテジー解析=
◆スタート
スタートの姿勢で注目すべきは、通常はバウスタイルで角度をつけたパドルの持ち方をほとんどの選手がします。
しかし、水面へのアタックへの速さが抜きに出た選手がいます。
それが、今回ワールドカップ第3戦200m男子で金メダルをとったDudas選手です。
パドルをローアングルにして、他の選手の短文ぐらいの角度にして持っています。
スタート合図で他の選手がパドルを入れた時のシーケンスはほぼ同じですが、パッセが40cm程度早く漕げています。
アングルが低い俗にスィープ系のパドリングをファーストパドリングで入れています。セカンドからは角度をあげています。
これはやく7mぐらい進んだ時点でトップに立ちました。このたった7m程度の時点で4位以下の選手と1m以上差がついてしまっています。
スタートダッシュで今後のスタンダードになるであろうスタートスタイルです。
◆しかし15mで銀メダルであったDe Jonge選手がトップに立ちます。
確実に先行馬スタイル戦略をとってきています。200mのショートレンジで体力限界勝負は相当の練習量の裏付けがあると思われます。
◆残り62.5m、Dudas選手が仕掛けます。まくり戦略に入りました。
ハードにパドリングしていると乳酸がたまってきます。どうしても血液の流れの影響はスピードに現れてきてしまう時間です。
この距離で仕掛けてきたのは、優勝タイムからのシュミレーション戦略をたくさん行ってきた証拠でしょう。
このシュミレーションデータから仕掛けるタイミングの位置をベストにできたと思われます。
差は約1.8m(1/3挺身)仕掛けて28.8秒タイム5.7秒約43mの距離で確実に追いつきました。
◆フィニッシュ
タイムは34.957秒、2位は0.168秒差。2位のDe Jonge選手は抜かれてから、抜き返すことができないままフィニッシュラインを通過することになりました。

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==============(ここまで)=====
markdejo paddle - 2014 最新スプリントスタイルの解析
マーク選手のパドルは部屋いっぱいに囲まれている。Bracha-sportサポート選手
180cm87kg 1984年2月15日生まれ カナダ国籍 ロンドンJO-銅メダル:世界選手権2013-銀メダル


ちょっと驚いた発見で、思わずアップしてしまいましたが、先月末から1週間以上かかった解析、すべてのモーションチェックをしたためですが、素材が第2戦との操法が違いすぎるために、別の素材で確認する必要があります。素材が入ったらチェックし直しますが、その為、今回の解析は可能性の示唆という見地で読んでください。

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