カヌー用の木製パドルのグリップの色々な形状について。
カナダのカヌー博物館には世界最大のカヌーカヤックのコレクションが展示されています。その中で、伝統的なパドルのグリップなどの形状についての記事です。
カヌーにとってパドルは無くてはならない存在です。150本以上のパドルコレクションを持つこの博物館でパドルの歴史的な特徴を紹介してみます。
アメリカカナダには先住民のインディアンの部族が住んでいたことは日本でも知られています。
彼らはいくつものコミニティ(部族)があり、水辺の多いカナダでは移動手段の一つとしてのカヌーカヤックが使われていました。
それぞれのパル(ブレード)とグリップの組み合わせは多種にわたっています。
長所や短所もそれぞれにあり、基本的に静水での操法としてその地域に最も適した形として成立していたのかもしれません。
現在のパドルにはあまり見られなくなったスタイルのグリップなどの形状を見る事で、新しい発見や日本の地域の静水など状況に合わせたパドルの開発にヒントとなるかもしれません。
1:T グリップ 現在の標準的なスタイルである「Tグリップ」以外はほぼ1本の木から作り出されています。 Tグリップは縦横の木で組み合わされた形となっていますが、これはカナダの東海岸あたりのマレシート族(MALECITE)はこのスタイルを使っていました。 このグリップの形はドラゴンボートを漕ぐために選択され普及した形となっています。 |
イラスト:ぬまくろ
|
2:RECTANGLUAR グリップ 東海岸側で最も一般的に使われていた形の長方形のグリップ。 Passamaquoddy族やマリタイムスのMaliseet族、クベックのMontagnais族とNascapee族など、いくつかのコミニティで多少形状の異なるこのタイプのグリップが使われていました。 このグリップはとても小さく、手のひらの中に収まり、パドルのブレードの付け根までまっすぐ伸びています。 |
|
3:BALLボールグリップ Cree族やDogrib族 SlaveとAlgonquinが作っていたパドル。 ボールは完全な球体ではない物もあり、ボール形状の前や後ろ側を平らにしている者など様々。 パドルのシャフトとの接続部まで少しのうねりがある。 |
|
4:POLEポールグリップ 西のKutenai族製から東のMi’kmaq族製のシャベルの取っ手に似ているポールグリップは、カナダのいくつものエリアで見つかっている。 ニューイングランドのMi’kmaq族のパドルはイギリスに持ち帰られ、1749年にスケッチされたものが見つかっている。 パドルの機能的には、なにかしらの良い効果があるとは思えないが、他のグリップよりも容易に作ることができたことは確かである。 数名のパドル職人はおそらくこのスタイルのパドルの製造の文化の保存のための計画への取り組みに励むことで、解明できるかもしれない。 |
|
5:Pear-shaped洋ナシ型グリップ Cree族、 Iroquoi族、Abinaki族やが使っていた洋ナシ型のグリップ。 多くのPeterborough, ONエリアのカヌー製造工場で選択され、このグリップを取り付けていた。 Walter Walker氏のカヌーやパドルの製造者のノートの記録には、Lakefieldの ONに取り付けられていたサイン的なグリップとされています。 そして、これはとても一般的な現代的なグリップです。 (補足:ベアグリップと現代では呼ばれることも多い) |
北アメリカに住んでいたインディアンのカヌーの仕様に対しての調査を研究したベススタンリーさんの論文を発見しました。
グリップに関する部分を翻訳しています。
=============
簡易翻訳fochmag.tokyo
=============
後編に続く
[overrule]
https://www.canadianwoodworking.com/get-more/know-your-paddles
BETH STANLEY
beth.stanley@canoemuseum.ca
[/overrule]
この、ビデオカメラ めっちゃ安くないですかー?!!!!
思わず知らせたくて貼ってしまいました。