オーストラリア代表のノエミーフォックス選手はあのジェシカフォックス選手の妹。世界最強のスラローマーの姉をもちながら自身も同じスラローム競技に身を置いた。妹の彼女もワールドカップなどでも好成績を残し、2016年WCのC1で銅メダルを獲得した強い選手でありながらもオリンピックの1人しか出られない代表にチャレンジし続けていた。
どうしても姉の壁を越えられないまま20代のピークを迎えてしまったが、新競技カヤッククロスがオリンピック種目となったことで、その代表チャレンジをし続け奇跡が起きた。
カヤッククロスに賭けた青春
約8ヶ月前にプラハで行われたカヤッククロス競技の日曜日の決勝で、ノエミー・フォックスは最下位になってしまった。「このままではオリンピックに出場できない」と脳裏をよぎり、内心ありえない・・・とレース後に痛感したといいます。これを絶対忘れないと誓い、このレースで超絶技巧なランを見せ、パリオリンピックへの出場を決めました。
「本当に長い道のりでした。この日を毎日夢見て、心技体を最高の状態にしようと意欲的に取り組んできた事が報われ、本当に自分を褒め称えたい。ついにオリンピックに出場することでき、それを姉ジェシーやトリスタン(カーター)、ティム(アンダーソン)やオーストラリアチームの他のメンバーと共有できること。今は何が何だか整理出来ませんが、そのうちに実感がわいてくることになるのでしょう。今日この後はリラックスしてオリンピックを思い描いてすごそうと思っています。
姉のジェシカフォックス選手は最高の強さをオーストラリアだけでなく世界でも見せ続けている選手だけに、妹のノエミーがそれを超えてく出場してくることはおそらくないだろうと思われていましたが、カヤッククロスの出現と各国が二人の出場は可能であるというルールによって姉妹揃って出場というドリームが生まれたのです。
ノエミー選手もアジアの国の選手であったら間違いなく出場できるハイレベルの選手だけにオリンピックの一人枠は国の垣根を越えられないという、弱くても出場できるやつがいるというジレンマとの戦いであり、それを現実に見せられてしまうことも強い精神力が必要なるものです。
今日のレース後のインタビューでは、ノエミ・フォックス「ここまで本当に長い道のりでした。レースでは水質や水の流れの緩急過ぎるエリアなど攻略に苦悩しました。スラローム界全体から、とてもいい雰囲気とサポートを感じました。仲間のアスリートや友人から、幸運を祈るメッセージやハグをたくさんもらいました。本当に素晴らしいことです。出場権を獲得し、オリンピックチームに一緒に入り、オーストラリア人選手が2人いるなんて、本当に特別なことです。オリンピックに出場できることを誇りに思います。」
彼女のインタビューから教訓を得てみよう
◆「ただ楽しんでランしたかったのに、緊張して最下位にならないように自分に唱えていた事が、おそらく最悪のレースにしてしまったのだろうと思う」 最大の努力をしたのなら、レースは楽しむ事。(色々な意味が入っていますね) |
◆「私は信じることを決してやめなかった。来週には、私もそのことを考え始めるだろう。私たちにとって、そして私の家族全員にとって、これは信じられないほどの夢の実現です。」 信念はブレてはいけない。(迷いは、全てを止めてしまう) |
◆「こんなに多くの人が私を信じてくれたことが、私がステップアップする上で本当に役立ったと思います。」 応援は自分を支えてくれる。(強くなるほど多くの人が支援してくれる、そしてファンも・・・) |
パリでは表彰台を狙えそうなノエミー
先週行われた2024 ICF Canoe Slalom World Cup Prague Czechiaのカヤッククロスの決勝レースでは、レース審議があり、ノエミー選手は2位に繰り上がった。フランスのアングレールハウグ選手の独断場のレースであったが、来月にはノエミーも修正するテーマを超えるようなトレーニングに励んでいることでしょう。