ハイブレースかローブレースか?の研究

カヌーカヤックなどでダウンリバーでエスカレートしていくと、滝落ちをしたくなるようで、そのスリリングさを体験した人はよりスリリングを求めていく。

これはカヌーカヤックcanoe kayakに限らずどのような動作でも、他人から見れば危険を追及し、自己満足の欲求を埋めようとし、周りの者はその奇行に肝を冷やさせられ、また、XGAMESのようにショーとして成立するレベルにまでなる競技もある。それは大会といえども自己責任で怪我をすれば本人がそれを承知で行っているという誓約書まで書かされ運営されている。
それらに参加している人たちを解析して、どのようにけがのリスクを低減させているのかを少しずつ紐解いていこうと思います。
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ハイブレース、ローブレースとはなにかというと、カヌーカヤックを乗りながら、パドルのハンドルを持つポジションの位置をさして命名されている。手の位置 が肩より上はハイブレース、低ければローブレースということです。 昔からどちらがいいのかを主張しあう人たちはいたが、落下の重力や風圧にまけて自然に両手を上げてしまう人がほとんどであるようだ。けがを防ぐ基本は手を上げないことは飛込競技でも立証されている。これは落下の高さが高いほど、姿勢が崩れてしまうことが原因で、体の弱い部分から落ちてしまうと、怪我をしやすくなってしまうことを防ぐ目的がある。
現実にはプレーヤー達は、自分が信じたやり方で各々自己責任でやっているだけである。
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高いところから低いところへ落ちると、衝撃がかかる。その衝撃を吸収する素材はボートに加えられていない。つまり衝撃の100%はボートにかかるのである。 相手は水だが、水に物が落下した時に、低い位置からは水の抵抗力は低く、物体は水に沈んでいく。この衝撃力は落下するスピードと重量に影響される*1。そして水を受けている滝壺などの回りの広さや囲まれ方(閉鎖的であればあるほど、水の逃げ道がなく、水が移動しないために表面が硬くなる)。
そしてボートなどが水に対してのぶつかったときの表面の面積の大きさにも比例し、鋭利であれば衝撃は少なくなる。
この対処方法に高さが高ければ高いほど、ローブレイスもハイブレイスも役に立たない。ボートの先端部分をできるだけ鋭角に水に入射していくことが衝撃を減らす方法だけに、角度がきつくなれば、ボートに対しての自分の体の維持する力も大きくなっていく。
そして衝撃時にそれを支えられる体力を超せば、ローブレイスなら体や手が跳ね上がり、顔面を大抵は強打し、鼻血などですめばよいが、最悪肋骨や顔面骨折の可能性がある。
ハイブレースならば肩の脱臼、腰から背骨にかけての骨がずれ最悪麻痺して一生体を起こすことさえできなくなることは十分に考えられる。そして、姿勢の崩れからの横転時の衝撃で思わぬ場所を強打する可能性もある。
簡単に言うと、自動車の衝突事故と同じ。わざわざ自分から衝突事故を起こし回避できる可能性に賭けている遊びだということになる。(自動車衝突実験のロボット替わりに自分が乗り込むのと同じ)
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ではどうするべきなのか?
顔面保護の覆う部分が大き目のヘルメットをつける(しかし呼吸しずらくなる) PFDの下にボディプロテクターの装着(ハンドルやボートに跳ね返りの衝撃を受けてもダメージを減らせる。
最近はミズノ社の野球のキャッチャー用のプロテクターは衝撃を受けた時だけ硬化するという特殊な素材でできているものが存在する。それの利用を考えてもよいのではないでしょうか?)
スカウティング(下見)で高さ+岩+流れ+回り+サポートポジション+エスケープゾーン+もしもの場合の救出ルート+近くの病院までの電話番号や距離、搬送方法+ETC.などをチェックしたあと、決断する(やることが勇気ではないので、やめる勇気も必要)。
 

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ポスチャー (姿勢)

高度からの落下:姿勢は、落下する高さが高すぎた場合、パドルを投げ捨てるケースも考えて、自分のパワーでは対応できないと思ったら、パドルを捨て、顔面を両手で保護し、ボートにへばりつくような前傾姿勢で滝から落ちてゆく。
中度からの落下:なんとかパドルを捨てなくてもいけそうな場合:これは僕自身はサイドポジションが有効ではないかと解析しました。サイドポジションとは効き手側にパドルをボートの向きと同じ向きに向け、脇をきっちり締めて、逆側の手を前方に伸ばしひじの内側で顔面をほごしながら体は前掲して滝に向かう。
ハンドルの握りは緩めで厳しいアクションの時には離せるようにしておく方が良さげ。力を入れて握ると体が硬い姿勢をとれるが、その分骨などへの衝撃は強くなってしまう。緩めで肉のクッションを使ってしのぐのが良いかと思われる。
滝に突っ込み終わった後でもパドリングへの再開がスムースに可能である。
低い位置からの落下:これは自分の腕のパワーでローでもハイでも支えられると思ったらやりやすい方で行ってよいだろうが、艇の角度が水面に対して平衡など程、ボートへの衝撃力は強くなり、そして、跳ね返りも大きく、パドルでけがをしやすいことだけは忘れないでおくべきでしょう。
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===構造===
ほとんどのボートは構造解析も流体解析もされていない。当たり前だが、解析は時間もかかるし料金も高い。
高い位置から人を乗せて水に落ちれば、ボートの耐久力はそれぞれのボートによってまちまちだが、たいていはぶっ壊れてしまう。ポリ系のボートならばまず間違いなく割れてしまう。これらの販売されているボートを、何の裏づけもなく信じて飛び込む人がいることが私には驚きでしかない。体を守ってくれる保証されるデータなど存在しないからです。どこまでボートが耐えられるか、そして構造計算以外に製造条件の差や材料の使う量などその製造時次第でしかないので、ボートの耐力幅が誰にもわからないにも関わらずボートの形は単に水で動きやすいまたは操作性、伝統的な形の延長からの変化以外にアピールされているものは存在しない。この後は余談で書きます。
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今回は最新のビデオをもとに現在の世界的なスタイルを少しでも紐解こうと研究していたものを簡単にまとめてUPしました。これが正解ということではなく、個人的な研究結果だということで読んでいただけたらとおもいます。
また、何か掴んだらUPしてみようと思います。


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滝下りをやる必要はあるのか?

メディアなどでは、成功したところしか映らないために、よさげに思えてしまいますが、失敗すれば数カ月~一生病院暮らしや、不自由な生活をしている人たちがいることを見通しているのが、良識ある大人の考えです。
わたしはプロの滝落ちのプロモーションの失敗を見たことがありますが、顔面から鼻血他の流血、デッキ部分は真っ二つに大破して入院しました。1年半経ってから、かれは再チャレンジをしました。自分に打ち勝つためと言っていましたが、完全に個人の思い込みの中の問題です。素人は高さのある滝落ちなど専門家のサポートがついていてもやるべきではありません。書面に何があっても自己責任のサインを求められて行えば死に損、怪我損なだけで、馬鹿な奴と裏で笑われてしまうだけです。
プロとしてショーやビデオでお金を稼いでいる人以外は、やる必要はないし、まねをする必要もない。これはテクニックの問題ではなく、あくまで自己満足の世界。目の前ですごいとおだてられて調子に乗ってしまい、やっても陰でキチガイと言われているだけで、動画アップサイトに載せてもそれほどの反応がないことでがっかりするだけです。
これを分かち合おうと素人にあっせんするのはいかがなものでしょうか?
素人はスリルと引き換えのリスクをわからないので、事故が起きてから損害賠償を起こしても、健康な体は戻ってこない。保険はお金しかでません。お金では解決できないことをお金で原状回復できると勘違いしないことでしょう。
本当のプロは自分が他人を200%助けられる確信があって、その上に何重ものリスク軽減のための処置を施しているものです。簡単に見える動作の中には何度も訓練され無駄な動作をそぎ落とした結果、シンプル且つ簡単そうに見えるほどの、優雅さを見せたうえで、ショーとしてのパフォーマンスアクションをしています。
それでもプロはけがをするのです。「子供はマネしないでね」としか書いてないのは、大人は「自分でリスクがわかるだろう」という前提の基、書かれていないだけです。これを忘れると痛い目にあっちゃいますよね~。
もちろん、あたいはこんなクレージーなことはしない。


■追記
 ・2013年8月11日滝壺に飛び込み行方不明 事件
大分・九重町の「龍門の滝」は遊泳や飛び込みが禁止されている区域。
警察発表:、8月11日午後4時過ぎ、大分県九重町松木の龍門の滝で、男性が岩場から約15メートル下の滝つぼに飛び込んだ。
しかし浮上せず、そのまま行方がわからなくなってしまたまま。
男性 は地元大分市の自衛官(22)で、中学の同級生5人と遊びに来ていた。
龍門の滝は滝滑りで有名だが、男性が飛び込んだ場所は遊泳や飛び込みが禁止されて おり、滝つぼの水深は深いところで約10メートルあるという。
警察と消防の捜索は11日午後7時過ぎにいったん打ち切った。翌日12日朝から再開される。


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  • 注1E=MC2乗の相対性理論で実証されている
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