パドリングの ラダー コンビネーション

カヤックでのワールドカップのスラロームレーサーで1位と2位になった人のラダーとドロウのコンビネーションを入れたものがありますので、その画像と解説をしてみます。 sasie gate - パドリングの ラダー コンビネーション


下の図は2013年の9月のプラハで行われたスラロームのカヤック決勝の模様です。
1位のHRADILEK.V.さんは右:2位のPRESKAVEC.J。さんは左。
最初のアップゲートへ向かう一つ手前のダウンゲートでのラダーコンビネーションの模様を写真で載せています。10秒あたりからの分割です。
ダウンストリームゲートを通過後に次はパラレル型のアップストリームゲートが設定されています。

このパラレルタイプの後のアップストリームゲートを通過する方法は、このコンビネーションやバックフェリーなどを使ったりしますが、スタートダッシュの Sの連続なので、アラウンドして、ゲートをミスる可能性があるものを省くと、この手法になると選択したものと思われます。
①まずはコーナリングの為のコーナーへの入り口に安全に導くために、スターンラダーを入れています。スターンラダーはもちろんパドリングしないので、ボー トにかかる自然なブレーキを利用しながらのストリームに乗って、方向を決めているもので、サーフライドする人にはこの形がわかると思います。
②次に急激なターンをするためのバウラダーを入れにいっています。
ここで、より急旋回するためのスターンからのスイープを行いながらバウ型のパドルスタイルに持ち込んでいます。
ボートはコレクティングしていますので、そのタイミングはゲート110cm程度手前でしょうか。(カレントのスピードによる)
③つぎに体がゲートに差し掛かる時にバウドローコンビネーションをかけています。
ボートはよりコレクティングしていますが、前方からのカレントにより押されてピヴォットしています。自分のエネルギー保存にもショルダードロップしていないというよりも、ドリフトからのカレントに押された力を利用したピヴォットで攻めることにしているようです。ここでのピヴォットのバーに対するリスクは最も少ないポジションで、ターンも速いのですが、アクセレーションがカレントのプレッシャーを受けているためにボトムをいかにホリゾンタルに近づけてボートのトラジェッに乗せるかが、タイムを縮めるポイントの一つとなっています。BACに対してはバックウォッシュが助けてくれるために次のアップゲートには素早く移動できるはずなのですが、最初のアップゲート通過時のタイム次第ではメンタルにも影響してきます。焦らず確実に進んでいるのが見れます。(バタバタ無駄なパドルが入っていない)
これの状態から加速するためにはコンビネーションへのパワーが相当必要となります。
そして、次のアップストリームゲートへは、BACしながら向かっていくのです。
以上が右図のラダーのコンビネーションの解説です。
paddle comb001 - パドリングの ラダー コンビネーション
しかしながら、このトッププレーやでもこの時点でわずかながら差がついています。2位のJIRIさんのがアップゲート手前まででわずかに遅れています。このレース結果では右のHVさんがタイムだけで3秒程度も早いのです。
ゲートタッチを前半でしないのが一番ですが、順位を落としている選手のほとんどは、最初のSでゲートタッチしてしまっています。このパラレル以前にペナル ティを受けているので、ここで取り戻そうとすると、アップゲートの後のWWを超えるダウンゲートでまたタッチしてしまう、苦々しいセッティングがされていま す。
これについての解析は、次回分析した時に書いてみようと思います。
(なを、用語がわからない方はカヌーカヤックジャパン史上最強ハンドブックをご覧ください)

error: Content is protected !!